また中国勢ではエコバックスなどの大手に加えて、アフターコロナで続々と日本市場に参入を始めている新興メーカーも注目しておきたい。
その1つがスイッチボットだ。日本ではスマートホーム向けデジタルのガジェットで知られるが、22年6月にロボット掃除機市場に参入。アマゾンや直販での取り扱いをスタートしている。そして23年4月に日本市場向けとして、小型のロボット掃除機「SwitchBot K10+」(直販価格6万8800円、Makuakeの先行割引あり)を発表。クラウドファンディングサイトMakuakeにて先行予約発売をスタートしている。
スイッチボット「SwitchBot K10+」。直径が一般的なロボット掃除機の7割程度の24.8cmで、椅子の脚の間などにも入り込んで掃除できる。拭き掃除にも対応しているが、水拭きモップが吸引口をふさぐ構造のため、吸引掃除と拭き掃除は同時にできない小型のロボット掃除機はこれまでに日立が「minimaru(ミニマル)」を発売しており、現在も在庫限りだが販売が続いている。ロボット掃除機本体の直径サイズが小さくなると収集できるゴミの量が減るといった課題があったが、「SwitchBot K10+」はゴミ自動収集ステーションを採用することで、収集できるごみ量の問題を解決している。
このほか、シャオミブランドで長く販売していた中国のドリーミーのロボット掃除機も、日本国内での流通がスタート。現在はアマゾンでの通販のみだが、今後、本格的に日本市場での展開を予定しており、大手量販店での取り扱いも計画されているそうだ。
ドリーミーの「DreameBot D10 Plus」(実勢価格6万9800円)。ダストステーションや水拭き対応、高精度のレーザーセンサーでのマッピング機能など基本的な機能を備える。ドリーミーは17年に中国で誕生したロボット掃除機メーカー。宇宙工学を背景にしたモーター技術をロボット掃除機の開発に転用している日本国内はもとより、グローバルでも急成長が期待されているロボット掃除機市場。それをけん引するのが、ルンバと中国勢のロボット掃除機であることはもはや間違いない。現段階でのトップシェアはアイロボットのルンバで、それを、エコバックスをはじめとする中国勢が追っている状態だ。
これまでの日本市場においても、知名度やブランド力は圧倒的にルンバだった。しかし、その状況に変化が訪れ始めている。エコバックスの高級モデルが支持されるようになり、知名度もアップ。また他メーカーの認知度も拡大している。
もちろん新興メーカーは特に日本市場への対応などの面で、サポートや販売などにまだ課題はある。いまはまだアイロボットとの差があるものの、中国メーカーのロボット掃除機に対する「安かろう悪かろう」のイメージは払拭され始めているのだ。
躍進する中国勢に対して、昨年アマゾンに買収され、傘下に入ったアイロボットは中国勢の猛攻をかわしてシェアを守りきれるのか。今年が大きな勝負の年になりそうだ。
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