NTTドコモの新料金プラン「イルモ」「エクシモ」が発表された先週は、関連記事がランキング上位に入った。
ドコモのプランは「イルモ」「エクシモ」「アハモ」の3種類になり、各プラン内で何種類もの料金がある上に、セット割で料金が変わるなどかなり複雑。ユーザーからの評判は良いとは言えず、MVNOの日本通信に「通信料金が分かりにくいプランはいらないモ〜!」とツッコまれてしまった。
AIに関する話題も強い。7位には、“自社版ChatGPT”を導入したベネッセグループへの取材記事が、10位には、将棋の藤井聡太叡王の対談記事が入った。
筆者も最近、生成AIをフル活用した同人誌を作ってみた。タイトルは「こんな店は嫌だ! AIが考えた『絶望の居酒屋』メニュー」。ChatGPTにあり得ない居酒屋メニューを考案してもらい、画像生成AIで絵を生成して、居酒屋メニュー風に編集する……つもりだったのだが、この作業、想像以上に“人力”だった。
まず、こちらは「絶望的」なメニューを依頼しているのに、ChatGPTの回答があまり絶望的ではない。例えば、「哀愁の刺し身」(とても希少な魚種を用いた刺し身の盛り合わせ。その希少さから絶望的ともいえる一品)などが提案されたのだがが、希少な魚の刺身は普通に食べてみたいし、絶望感がまるでない!
たぶん、AIは絶望したことがないので、絶望感のあるメニューのイメージが付かないのだろう。また、ChatGPTのクセとして、どんな質問にもポジティブな回答を寄せがちなところがあり「絶望」というオーダーがそもそも苦手だったようだ。このため筆者はChatGPTに、「もっとネガティブに 本当の意味での絶望を」などと、さらなる絶望の深淵に到達するよう指示する必要があった。
画像生成AIでのメニューの再現も困難を極めた。画像生成AIはそもそも、日本食の再現が苦手。すしなどもあまり上手に描くことができないし、唐揚げはフライドチキンになってしまう。ChatGPTが考案したメニューをAIでそのまま絵にするのは、一部を除いて不可能だ。
そこで発想を転換。画像生成AIでうまく再現できなかった場合、AI絵にあわせてメニュー名を人力で考えることにした。また、メニュー全体を見て同じようなネタがかぶった場合は、人力でメニュー名を考えなおした。AIが考えたメニューをヒントに、より面白いと思えるものを人力で作っていくのだ。
「AIに考えてもらったメニューの同人誌」を作るつもりだったはずが、気づいたら、AIを自分がサポートしつつ、自分の発想をAIに広げてもらうなど、AIと自分自身の境界が曖昧になっていった。「人間は操縦士、AIは副操縦士」などといわれるが、もっとこう、混然一体で、脳の一部になってもらったような印象だった。
この同人誌の詳しいメイキング記事は@ITに掲載されている。よかったら見てね。
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