結論から言うと、両者の音質に大きな差は感じられませんでした。つまり、Model 3のシステムで聴くとせっかくのハイレゾ音源も、ロッシー音源並の音質になってしまうということです。
方やロッシー音源、方や192KHz/24ビットのハイレゾのWAVファイルなのに差がないというのは、筆者自身もにわかには信じられません。強いて言うなら、ハイレゾの方が、音の輪郭に明瞭感が感じられます。ただ、プラセボ効果ではない、と言い切れる自信はありません。
「もともとの192KHz/24ビットWAVファイルの音質が悪いのでは?」と疑問を呈する向きもあるかもしれません。しかし、筆者の仕事場におけるリスニング環境での再生と比較するとModel 3のハイレゾ再生は、全音域でのヌケ感が明らかに後退しています。最もわかりやすいのはホール残響における透明感の減退です。
ホール残響は、筆者お気に入りのNeumannのステレオマイクで収録した、音楽の印象を大きく支配する要素だけに大変残念ではあります。
先ほど、筆者の仕事場での再生と比較したと述べました。仕事場では、iMacやMacBook ProのDAWを使い、オーディオインターフェイスは「RME Fireface UCX II」をUSB接続し、GENELECとFOSTEXのスタジオモニターを切り替えながら聴取しています。「高音質で名高いRMEのインターフェイスと比べるのはいかがなものか…」というご意見は甘んじて受け入れます。
両者に差異が感じられないという釈然としない結論ですが、理由として、Tesla純正の再生アプリ、Model 3のオーディオアンプ(アナログ回路の設計やDACチップの品質)、スピーカーといった、システム中のいずれかのレイヤーの能力不足といった推論を立てることができます。
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