「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
2023年6月初旬のソフトウェアアップデートで、筆者のModel 3にも「Apple Music」アプリが追加されました。以前から利用可能な国や地域もありましたが、やっと日本にも来たといったところです。
今回は「祝Apple Music on Tesla」ということで、Apple Musicアプリの使用感に加え、Model 3(21年9月納車)に標準搭載されているオーディオについて、音楽制作者としての考察を交えながらマニアックに語ります。同時に、Model 3車内に録音機材を持ち込んでの周波数の計測実験も行ったのでその結果も報告します。
昨年の2022年5月、本連載において「14個のスピーカーを組み込んだTesla Model 3は空間オーディオ、ハイレゾを楽しめる?」と題してModel 3のオーディオ装置を紹介しました。おさらいをしましょう。筆者の21年製Model 3 ロングレンジには、14個のスピーカーを使った13.1チャンネルのオーディオシステム(以下システム)が組み込まれています。
このシステムは、とても良質なリスニング体験をもたらしてくれます。豊かな低音と伸びのある高音に彩られたフラットな周波数特性が持ち味の、長時間の聴取でも耳疲れしない嫌みのないオーディオだと思います。
ただ、後に詳述しますが、今回の聴取実験で残念だったのは、Model 3のシステムは、ハイレゾ音源の再生に耐えうるだけの性能を持ち合わせていないのでは、という疑惑が自分の中で膨らんでしまったことです。
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