そもそも、この「ネゴ」は、10年以上前に、森井氏とスタッフが全員猫好きだったこともあり、ユカデザインの新規事業として、「猫を仕事にしよう」というプロジェクトを立ち上げたことから始まっている。そこから、いくつかの動きがありながら、具体的な形になったのが、2019年7月に+dから発売された「ネコカップ」だ。
そして、砂場や砂浜、アウトドアの現場などでいくらでもネコを量産できてしまう「ネコカップ」は、大ヒット商品となる。その魅力は、なんといっても、リアルではないけれど、猫の可愛さと怠さのようなものを見事に表現した造形と、それを誰もが再現できる手軽さ。そして、十分な存在感がありつつ大き過ぎないサイズ感だろう。
「サイズは、最初から大体このサイズでした。外に持ち出して使うものなので、持ち運びがしやすい大きさで、小さ過ぎないギリギリのサイズという感じです。形も、猫のリアルなアウトラインを持ったものではなくて、私の記憶の中にある猫のシルエットなんです」と森井氏。
実物大だと、持ち歩けないし、砂を入れたカップをひっくり返すのも大変。そういう意味でも絶妙なサイズ感だったのだろう。しかも、幅233mmという大きさは、家の中でオブジェとして飾っておくにも良いサイズ。
この「ネコカップ」は、大ヒットしたこともあり、ユーザーの手によって、思わぬ方向に展開する。
「こちらは全く想定していなかったんですが、ユーザーの方が『ネコカップ』をチャーハンとかケチャップライス、ゼリーなどの型として使ってくださっていたんです。それで、元々、小さいサイズのものは作りたいと考えていたので、食べ物で使いやすいサイズのものをと『コネコカップ』を作りました。『ネコカップ』だと3人前くらいの大きさになるので、ちょっと大きいですよね」と森井氏。
「コネコカップ」の容量は大きめお茶碗一杯分くらい。「私の1食分という感じなので、もしかしたらちょっと大きいと感じる人も居るかも知れません」と森井氏は笑う。
そして、その次の展開がボードゲーム「ネゴ」になる。その飛躍はどのようにして起こったのだろう。
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