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最後は必ず“ネコギュウギュウ” 猫の習性をルールに生かした陣取りゲーム「ネゴ」誕生秘話分かりにくいけれど面白いモノたち(5/7 ページ)

» 2023年08月26日 12時30分 公開
[納富廉邦ITmedia]

ネコは味方同士でも目が合うとケンカする

 ルール自体はいたって簡単。盤上に駒を置いて、駒によって囲われた部分が自分の陣地になる。その陣地の中にはボスネコ以外の敵の駒は置けないため、ゲームが進むと、駒を置ける場所は限られていき、ボード上に占めるネコの面積(マス目の数)が多い方が勝ちとなる。盤も、8×8マスの小さなものなので、1ゲームは早ければ10分くらい、長くても30分もあれば決着がつく。

 ゲームを面白くしているのは、4マスや2マスにまたがるもの、直角に曲がって3マスを占有するもの、2×2マスを占有するボスネコのコマなど、駒のサイズや形状が様々なこと。そして、そこに加えられた猫の習性を取り入れた特殊ルールだ。

実際の猫の習性をルールに取り入れている。このネコルールが、ゲームを複雑にすると同時に、盤上に平和なムードを漂わせているのだ

 まず、初手は2×2マスを占有するボスネコを置くところから始まる。そしてボスネコは盤の中央に置いてはいけない。お互いにボスネコを配置したら、あとは陣取り合戦だ。しかし、ネコ同士はそれが例え味方であっても目が合うとケンカを始めてしまうので、直線上で目が合うように駒を置いてはいけない。しかも、それは間に他のネコがいてもダメなのだ。ネコの鋭敏さを舐めてはいけない。

 また、ボスネコは恐れ多い存在なので、身体すら見てはいけない。かといって、盤の端にいてその外側を見るようにも置いてはいけない。ネコは世界を見ていたいのだ。

 この目を合わせてはいけないというルールは、ゲーム終盤になって、かなり効いてくる。囲碁のようでいて、視線に関しては、将棋でいう「角が効いてる」みたいな感じになる訳だ。

こんな風に、反対側のボードの枠までネコが横断するように駒を置いてはいけない。このルールが案外覚えにくかったが、ゲームを繰り返す内に、確かに、この制約は必要だと感じた

「私も野島も実際に猫を飼っていたこともあって、猫なりのこだわりのようなものを自分たちなりに咀嚼(そしゃく)することからルールを考えていきました。猫の気持ちになって考えると、間に何があっても目を見る、見られるのは嫌だろうなとか」と森井氏。

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