「駒をどういう素材で作るかという部分に関しては、製造を担当するアッシュコンセプトさんはプロ中のプロなので、全面的にお任せしました。ただ、将棋や囲碁のように、盤上に置く時にパチッと音がするものというイメージはお伝えしました。プラスティックだと、その感じは難しいし、理想を言えば石だけど、それは難しいだろうし、何を提案して頂けるのかなと思っていたら、まさかの石膏で、想像してなかったのでビックリしました。でも、出来てみると、このゲームの駒は確かに石膏だと思いました」と森井氏。
アッシュコンセプト広報の戸村氏によると、むしろ樹脂製だと金型などにコストがかかり、森井氏の造形をそのままユーザーに伝えるのも難しいということで、製品化を実現するための製造方法や素材をsoilに相談したのだそうだ。そして珪藻土などの素材も検討した上で、石膏が選ばれたという。
「『ネコカップ』も砂とか入れて出来る形はほぼ原型通りですけど、カップの形は3Dデータを監修したものなので、そのまま製品になってる『ネゴ』とは違うんですよね。だから、見てると『もうちょっとここはこうすれば良かった』という部分は出てきますね。ボスネコはもっと丸まって寝ている感じにできたとか、考えてしまいます」と森井氏。
しかし、この手作業がそのまま駒になった生々しさというか温かみのようなものも、造形の魅力になっていると思う。だからこそ、ゲームの盤面は美しく可愛くなるし、駒だけをフィギュアのように飾ってインテリア的に楽しむことも可能になっている。実際、駒だけのバラ売りはないのかという要望もあるらしい。
そうやって作られた製品で遊べるのは、シンプルながらも奥深く、しかも猫への愛にあふれたゲームだ。
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