アップルが“脱Lightning”をここまで引っ張った理由 iPhoneのUSB-Cは「MFi認証なし」に(5/5 ページ)
10Gbps伝送が「iPhone 15 Pro」だけな理由
もう1つ、アップルがこのタイミングで決断した理由として「A17 Proの登場」がある、と考えられる。
A17 ProはTSMCの3nmプロセスで作られた初のスマホ向けSoCで、GPUの完全リニューアルを軸とした高性能化が主軸ではあるが、同時に重要な点として、SoCの中に「USB 3」のコントローラーが組み込まれた、ということがある。
iPhone 15に組み込まれた「A16 Bionic」を含め、過去のiPhone向けSoCでは「USB 2」ベースの技術が組み込まれ、Lightningでも活用されてきた。
そのため、データ転送レートは最大480Mbpsまで、という制限も存在する。だから基本的にLightningの転送レートは「最大480Mbpsまで」だったし、iPhone 15も同じく「最大480Mbps」だった。
旧型のiPad ProはLightningながらUSB 3(USB-IFの現在の表記では「USB 5Gbps」。旧表記はUSB 3.2 Gen1、USB 3.1 Gen1、USB 3.0など)対応だったことがあるし、現行のMacやiPad Proも高速な転送に対応する。
ただこれらの場合には、SoCの他にUSB 3やThunderboltのコントローラーが搭載されていた。
しかしA17 ProはUSB 3のコントローラーIPをSoCに内蔵することになり、iPhone 15「Pro」では最大10Gbpsでの転送が可能になった……ということのようだ。すなわち、これまでiPhoneでUSB Type-Cを採用しなかったのは、転送レートの速い規格に対応する準備が整っていなかったため、という見方もできる。
なお、iPhone 15とiPhone 15 Proでは、同じ「USB-C」ケーブルが付属する。規格的には「USB 2.0」、すなわち最大480Mbpsまでのものだ。iPhone 15 Proで高速転送を必要とする場合、別途USB 3(USB 10Gbps)対応のケーブルを用意する必要がある。
ある意味で「USBの混沌の中に入っていく」のだが、今は業界全体で「用途に合ったケーブル」を選べるよう試行錯誤している時期でもある。分かりやすさや品質を明確にしたメーカーが先にユーザーの支持を得ることにもなる。「ようやく」行われたアップルの決断は、周辺機器メーカーにとっても大きなチャンスとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
BASE子会社の漏えい、約2335万人分に 209万人分はクレカ番号「先頭6桁と下4桁」「有効期限」も
-
2
タイムズカー、退会後も7年間保管していた免許証画像を全削除へ 約660万アカウント分の漏えい受け
-
3
Microsoft、社内エンジニア数万人を対象に「Claude Code」「Copilot CLI」導入の影響を分析 生産性どう変わる
-
4
人気Web制作ツール「Studio」全ユーザーの情報漏えいか フォームに送信された内容、外部APIキーなども
-
5
祝・連載再開! 「キャプテン翼」大好きマンガ家による最新家庭用ゲーム“魂のプレゼン”
-
6
「『楽天カード公式』から詐欺メール」報告相次ぐ ドコモメールに公式マーク付きフィッシング、一部企業の認証設定に脆弱性
-
7
コミックシーモア、不正アクセスの可能性でサービス停止 メンテ終了時期は未定
-
8
「skyticket」クレカ情報も流出、カード番号など最大6140人分 「流出なし」の初報を訂正
-
9
「セキュリティソフトも売ってるのに」ソースネクスト会員情報漏えい、パスワード含む最大2252万件 API不正利用される
-
10
コードを書かずに“自分専用IME” 日英を自動切り替えできる「Meltype」にAI変換を載せてみた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR