自治体の業務を共通化し、システムもそれに沿ったものに移行する“自治体システム標準化”。国は原則として2026年3月末までの対応を自治体に求めており、各自治体への補助金として1825億円を確保している。中には期限に先行して移行する自治体も出ているが、一方でスケジュールや、補助金の不足による負担増といった問題を抱える自治体も少なくない。
例えば茨城県水戸市や福島県福島市など、人口20万人以上の市町村の市長からなる中核市市長会は10月、全額国費による事業推進と期限の見直しを求める要望書を提出した他、京都市・横浜市などの市長からなる指定都市20市市長会も補助金の上限や対象となる経費の拡充などを求めている。
このうち補助金の上限については、11月10日に閣議決定した2023年度補正予算案で約5163億円の積み増しが決まった。デジタル庁の河野太郎大臣も「移行費用は全額負担するから安心してやってほしい」と呼び掛けている。一方でスケジュールについては、移行の難易度が高い場合のみ例外が認められたものの、原則は当初の想定通りの移行と定められている。
厳しいスケジュールと二転三転する状況を、現場はどう受け止めているのか。本連載ではさまざまな自治体の担当者に取材し、システム標準化に取り組む人の“生の声”を探る。第3回となる今回は、兵庫県尼崎市の岡本央さん(デジタル推進課)に話を聞いた。自治体システム標準化やガバメントクラウドに関する概要は第1回の記事を参照のこと。
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