――3Dスキャンアプリ「Scanverse」についてお伺いします。3月に、3D Gaussian Splattingに対応したのは驚きました。しかも、スマホ単体で利用可能で、非常に手軽かつ、素早い。他社はクラウドベースが多いですが、ローカル処理を選んだ理由はなんでしょうか?
マクレドン:メッシュスキャンであれ、3D Gaussian Splattingであれ、スキャンを作成した場合、最終的に思い通りにならなかったり、うまくいかなかったりすることが多々あります。
でも、結果が分かるのが1時間後だったら、あなたはもう家に帰っているから、スキャンし直すことはできない。オンデバイスによる素早いフィードバックによって、私たちの技術なら、1分後には結果を見ることができます。
Googleでアプリケーションを作っていた時代の経験から、素早く動くように作れば作るほど、より多くの人に使ってもらえることが分かっています。
他社のクラウドベースのソリューションに比べ、われわれの技術は100倍の速度で処理できます。それができた根本的な理由は、競合他社がクラウドでやっていることに比べ、私たちがはるかに優れた実装を持っているからです。
Gaussian Splattingは非常に新しい、2023年に論文発表されたばかりの技術です。弊社にはとても賢いエンジニアが何人かいて、問題をいったんばらばらにしてしまえば、物事をより速く進める方法を知っているんですよ。だから、論文にあるオープンソースのソリューションを採用する代わりに、エンジニアの1人がゼロからコアとなる原理からそれを構築し、はるかに高速化することができたわけです。
――なぜ無償で公開しているんでしょうか?
マクレドン:私たちも自問自答しています。今はまだ3Dスキャンの黎明期です。新しい機能が出てくるかもしれない。その時には有料にするかもしれませんし、別のやり方で提供するかもしれません。
短期的には無料にするのがベストでしょう。そして、もし今以上の付加価値を提供できるのであれば、それに対して課金するかもしれません。
ただ、これは弊社公式のスタンスではなく、あくまでも私見です。
――3Dで思い出を記録しやすくなっています。その市場性・可能性は?
マクレドン:私は長い間、CESや展示会に足を運び、さまざまな試みを経験してきました。最近のもので印象に残っているのは、ホログラフィーのような、特定の平面だけでなく、奥行きのあるものです。
3Dテレビは普及しなかったし、ステレオペアの画像も普及していない。しかし、新しいキャプチャー技術が開発されれば、普及の可能性はあります。
また、ある領域で考えると、フラットスクリーンよりもヘッドセットの方がより変化をもたらすのではないでしょうか。
Meta Quest 3とApple Vision Poは、3Dコンテンツの消費デバイスとして素晴らしいものになると思いますよ。
――今後のARゲームの可能性について教えてください。どのようなものが生み出せると考えていますか?
マクレドン:ARには2つの方向性があります。ロケーションARとビジュアルARです。
「Peridot」ではその両方を追求しています。われわれは近い将来、より多くのビジュアルAR要素を追加していきますが、多くの部分はロケーションARに関わるものです。
どちらにせよ、これらのゲームの未来は、ナイアンティックの哲学、つまり「外に出ること」「外の世界と交流すること」が重要だと信じることにかかっています。外に出て一緒にゲームをすることは健康的なことです。
そして、その先にあるにはAR、ARを搭載したスマートグラスにより、隣を歩く人と一緒に世界を共有すること。それが私たちの長期的な目標です。私たちは、みんなが外に出て、一緒に世界を共有できるようになることを望んでいるんです。
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