iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
本連載では初めて、Tesla以外のEVを取り上げます。Volvo EX30です。EVが集まった展示イベントで実車を見てからというもの、筆者にとって気になるEVの一翼を担うようになりました。2030年までの完全電動化を宣言したVolvoが世に問うこのコンパクトな電動SUVを21年型Tesla Model 3ユーザーの目線で報告します。
ボディーカラーは全部で5色。試乗車は、北欧の空をほうふつとさせる「クラウドブルー」。航続距離はWLTCモードで560kmだが、実質的には450kmといったところか。
ボルボは、スウェーデンの自動車メーカーです。2010年に「ジーリー」などを傘下に持つ中国の「浙江吉利控股集団」が筆頭株主となりました。これは筆者の印象ですが、中国資本が入ってからのボルボのクルマは、どれもデザインが洗練され、スタイリッシュな中にもスカンジナビアンなテイストが見え隠れし、以前の武骨なデザインから一皮むけた感じが好印象です。
高名な自動車評論家の言では、それ以前のフォード傘下だったときには、親会社から既存のエンジンやプラットフォームを押しつけられ、ボルボらしさを欠いた自由度の低いクルマ作りしかできなかったそうです。中国資本以後は、自由にのびのびとしたクルマ作りが行えるようになったとのこと。「カネは出すけどクチは出さない」ってやつでしょうか。
EX30も、ジーリーのEVとプラットフォームを共有しています。EV分野では爆速の進化を続ける先進的な中国メーカーの「血」が入っているだけに、良質なEVに仕上がっていると期待しています。
デザイン面では、全体、局所のそれぞれに近年のボルボらしい文法が投入されており、街中の雑踏でも網膜の端にその姿を一瞬捉えただけで、ボルボだとわかる佇まいをまとっています。
走る曲がる止まるといったクルマとしての基本性能は、他の自動車系の記事やYouTubeをご確認いただくとして、ここではTeslaユーザーとして気になる以下の項目について話を進めていきます。
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