まず目を引くのが、Tesla同様、大型スクリーンを配し、物理ボタンを最小限にしたダッシュボードまわりです。ただ、Model 3とは異なりスクリーンをタテ型に配しています。ここまで大きいとタテ型でもヨコ型でも視認性や利便性に差異を感じることはありませんでした。
それよりも驚いたのは、スクリーンのヌルサク感です。各種操作はもちろん、マップの移動や拡大など指先に吸い付くように反応してくれます。21年式Model 3におけるスクリーンの操作感はもっさりしており、雲泥の差でした。大型スクリーンを有し、そこで多くの操作や設定を行うこれからのクルマは、スクリーンのUIや応答性がユーザー体験の大きな領域を占めることを実感しました。
このヌルサク感はそれもそのはず、インフォテインメント系のチップに米Qualcommの「Snapdragon」プロセッサが採用されています。シリーズの型番までは不明ですが、必要にして十分な能力を有しているようです。正にタブレット端末が搭載されている感覚です。
その一方で21年式Model 3のインフォテインメント系チップは、米IntelのAtomプロセッサという古いものです。クルマと言えどもインフォテインメントの部分では、スマホ同様に世代を重ねると陳腐化が進行することを思い知らされました。
ちなみに、最近のTesla車は、AMDのRyzenプロセッサを搭載しているので、従前のもっさり感はかなり改善されていることは付け加えておきます。
1つ不満だったのは、スクリーン上の時刻表示が小さ過ぎて見えにくい点でした。しかも、右ハンドルの運転席から最も遠い画面左端に表示されています。このUIについては「OTAアップデートで改善可能。本国には時刻表示を改善するように要望を出している」(ボルボジャパンの広報)とのことです。
実のところ、Model 3の時刻表示も小さすぎて運転中に確認しにくいことこの上ありません。外国人は運転中に時刻を気にしないのでしょうか。
スクリーンには、スマホのGoogleアシスタントがそのまま車載されていると思ってください。従って、普段利用しているGoogleアカウントを設定すれば、個人の情報がひも付けされて、Googleのサービスをシームレスに利用することができます。
音声認識の性能もスマホのそれに準じ、不満に思うことはありませんでした。もちろん、カーナビの目的地設定も可能です。ただ、普段スマホでGoogleマップのナビを使っている人ならご理解いただけると思いますが、裏道の細く攻めたルートを案内をすることもありました。このあたりはTeslaのナビも同様です。
目的地の名称を発話する際、曖昧な固有名詞を指定した場合も、忖度して、考えられる最適解を示してくれます。さすがGoogleアシスタントです。他にはオーディオの音量制御やエアコンの温度設定なども声で可能でした。
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