ワンペダルドライブの魅力は、右足操作(アクセル)だけで、加速はもちろん、完全停止までコントロール可能な点にあります。EX30は完全停止まで行えます。ただし、Model 3と比較すると、アクセルオフから停止するまでの距離が長く、減速中はエンジン車のコースティングのような印象を受けました。これは慣れの問題で、このEX30の減速率を身体に染みこませることができれば、快適なワンペダルドライブが楽しめることでしょう。
ただ、1つどうしても気になるとこがありました。微速から停止に至るその瞬間にちょっとしたショックを感じることがありました。オノマトペでオーバーに表現すると、止まる瞬間、足元から「グガ、ギゴ」という感覚が伝わり、車両全体が微動します。ブレーキホールド機能が作動する際の挙動なのでしょうか。詳細は不明ですが、気持ちのよいものではありませんでした。
その点、Model 3のワンペダルドライブは優秀です。いつ停止したのか分からない程に、極微弱な「コツン」という軽い振動と共に自然に止まります。筆者が丁寧にブレーキ操作をするよりも上手です。EX30の場合、OTAが可能なので、制御プログラムのアップデートで停止の瞬間の挙動を修正できるのではないでしょうか。
SUVカテゴリーに属するEX30の魅力は、その広いラゲッジスペースにあります。写真でご確認いただくと分かりますが、リアゲートがフルに開くので、トノカバーを外し大きな開口部を利用すればかなりの荷物を積むことができます。後席をたためば、そのエリアはさらに広がります。もちろん、小ぶりながらフロントトランクも用意されています。ただ、ここには普通充電のケーブルを入れるとそれだけでいっぱいです。
ただ、夫婦と子供二人家族でキャンプに出掛けるといった使い方をする場合、後席を倒すことができないので、ちょっと厳しいかもしれません。持参するキャンプ用品や積み方を工夫する必要があるかもしれません。自分がシルバー世代に属するからそう感じるのかもしれませんが、引退した夫婦が旅をするのに適したクルマという印象です。
筆者は、犬用の折りたたみカートをトランクに積み夫婦+1匹でデイキャンプに出掛けることがあります。その際、セダンであるModel 3のトランクはドッグカートが大きく占有します。残されたスペースにテント、チェア、テーブルを積むとそれだけでいっぱいになります。EX30と比較すると見劣りするのは致し方ありません。
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