先週のアクセス1位は、「ポケ森」こと、スマートフォンアプリ「どうぶつの森 ポケットキャンプ」(iOS/Android)のサービス終了に関連する記事だった。2017年のスタートから7年での終了だ。
サービス終了の反響を見て驚いたのは、「母が夢中になっていた」「ポケ森のログインを見ることで、母の安否を確認をしていた」など、高齢とみられる親のプレイを語る声がかなり多かったことだ。
高齢層に人気のゲームといえば「Pokemon GO」のイメージだったが、「ポケ森」も同様に幅広い世代に愛され、日々遊ばれていたゲームだったということを筆者は今回、初めて知った。
他にも印象深かったのは「亡くなった人のキャンプ場に遊びに行っていた」という声だ。ポケ森は、ユーザーがログインしなくなっても、ユーザーが作ったアバターやキャンプ場が残る仕様になっており、亡くなった家族や友人にポケ森で会いに行くことが可能だったようだ。
亡くなったユーザーが作ったものが死後も生き生きと動き続ける、すてきな“デジタル遺品”だったんだな……と感じながら、アクセス1位になった記事を書いた。
筆者は、遠方に住む高齢の母の様子をオンラインで見守っている。そのツールはゲームではなく、子どもの写真シェアアプリ「みてね」だ。
みてねは、親が子の写真を家族限定でアップし、離れて住む親戚などにシェアできるアプリだ。SNS「mixi」運営元のMIXI創業者である笠原健治さんが、自らの子育てをきっかけに開発した。mixiの「足あと」(他人のページを見に行くと、自分の訪問を「足あと」として知らせる機能)のように、ユーザーのログイン時間を表示する「みたよ履歴」機能を備えている。
筆者がみてねに子どもの写真をアップすると、数時間以内に母からログイン記録がつく。その記録を見て私は「今日も元気そうだな」と安心していられる。
親の様子を確認するには、LINEなどでメッセージを送ったり電話をしたりすることもできるが、ログイン記録の確認なら、毎日手間なく、無意識にできるのがとてもいい。
デジタルで見守りといえば「親がポットのお湯を使ったら子どもに通知が来る」などの仕組みが以前から使われてきた。だが、高齢世代も普通にスマホを使うようになってきた今は、ゲームやアプリを通じた安否確認が当たり前になってきているのかもしれない。
「ポケ森」が親の見守りに使われているのは、サービス提供元には想定外だっただろう。結果的にそのように使われているサービス終了してしまうとなると、ユーザーにとっては「そのゲームで遊べなくなる」以上の痛手になると感じた出来事でもあった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR