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音響エンジニアが考える、テスラ「モデル3」オーディオ設定の最適解 ノーマル仕様でどこまで引き出せる?走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/5 ページ)

» 2024年10月31日 19時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

映像鑑賞時はミュートしない

 Model 3の場合、サブウーファーから出る音の周波数は、おそらく40〜50Hz以下(筆者による体感値)が中心であると思います。筆者が音楽を制作する場合、ケースバイケースでHPF(High-pass filter)を使い、50Hz以下をバッサリを切ってしまうこともあるくらいです。他者の音楽でも同様のフィルタリングを実施しているものは数多くあります。

 音楽によっては、サブウーファーの存在が、その音源が本来持っている低域の表現力を台無しにすることもあるわけです。これが、筆者がサブウーファーをミュートする理由です。ついでに言えば、筆者は、イマーシブオーディオもオフに設定しています。その理由は後述します。

 ただ、低音がドンドンドッカンドッカンと鳴るのが好みの人もいるでしょう。ご安心ください。サブウーファーをミュートした状態でも、EQ設定で「低音」を上げていけば、「音楽的に意味のある低音」を楽しむことができると思います。ぜひお試しください。

 ただ、近年のヒップホップ系トラックで聴かれるような、シンセサイザーやサンプリング系の地を這うようなベースやキックの音を堪能したければ、サブウーファーをミュートしない方が良いという考え方もあると思います。好みやジャンルに応じてケース・バイ・ケースで対応してください。

ヒップホップ系トラックの効果音的な重低音はサブウーファーをオンにした方が楽しめる

 ミュートしない方がベストという意味では、車内で映画などの映像を楽しむ場合も同様です。映像作品の音響には、没入感や迫力を体験するという意味でエフェクトとしての重低音が欠かせないものもあります。

 実際、ハリウッドのアクション系の作品の多くは、空気を震わせるような低音を効果的に使っており、サブウーファーがあるとないとでは、視聴体験が大きく異なります。また、没入感をさらに高めるイマーシブオーディオも映像の音響には必須でしょう。

サブウーファーなしのRWDモデルでも十分楽しめる

 そうなると、車内で音楽「のみ」を楽しむ筆者にとってサブウーファーは必要ないという論法が成り立ちます。実際、納車から3年余、車内でNetflixを本気モードで鑑賞したのは、1〜2回ですから、音楽聴取が中心の設定になります。

 従って音楽聴取に関していえば、サブウーファーが装備されていないModel 3 RWDモデルでも必要にして十分なわけです。ただ、最新のModel 3 ロングレンジとパフォーマンスには、17個のスピーカーが搭載される一方で、RWDは9つのスピーカーと、スピーカーの数でグレードダウンします。

新型Model 3ロングレンジのスピーカー配置。デュアルサブウーファー、デュアルアンプが売り

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