ITmedia NEWS > 製品動向 >
STUDIO PRO

今年はどんなデジカメが出てくる? 価格高騰の今だから期待したい“後継機”荻窪圭のデジカメレビュープラス(5/6 ページ)

» 2025年01月04日 07時14分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 もともと、どのカメラも「ピクチャーコントロール」や「ピクチャースタイル」「ピクチャーモード」などの名前で撮影時の色や階調やシャープネスの組み合わせを選べるのだけど、どれもメニューの中にあり、マメに変える人ってあまりいなかったと思う。

 各社とも違う名前がついてるので、ここでは暫定的に「画作り」とします。それが、24年の新製品で表に出てきたのである。発端は動画クリエイター関連じゃないかと思う。

 そして最初に動いたのがパナソニックの「リアルタイムLUT」だ。LUTは「ルックアップテーブル」の略で映像用語なのだけど、それを写真と映像の両方に適用してきた上に、S9に専用のボタンを設けたのだ。

 しかも、スマホを通してダウンロードしたLUTをカメラに転送して当てたり、スマホでオリジナルのLUTを作ることもできる。調整できる幅はかなり大きく、画作りを楽しもう、というのが前面に出ているのがすごく伝わってくる。

S9に「リアルタイムLUT」を当てて撮った中の1枚。そのシーンをどう表現したいかに応えてくれる機能だ

 今の時代にすごく合ってると思う。

 S9と同時期に動いてきたのが、以前から「フィルムシミュレーション」を推してきた富士フイルム。

 なんと「X-T50」では、左肩というアクセスしやすい場所に「フィルムシミュレーションダイヤル」を積んできたのだ。メニューを介すことなく、ダイヤルだけで画作りを選べるのである。

X-T50の左肩。なんとフィルムシミュレーションを自在に扱えるので敷居がぐっと低くなった

 ちなみにX-T50は背面モニターがチルト式に戻ったという点で非常によいカメラである(個人の感想です)。

個人的にチルト式モニターの方が好みなのでこれはうれしかったX-T50

 フィルムシミュレーションダイヤルはX-M5でも採用した。

X-T50でフィルムシミュレーションは「クラシックネガ」。レトロな色調は絶品

 ニコンもともと持っていた豊富な「ピクチャーコントロール」に加え、「カスタムピクチャーコントロール」や「イメージングレシピ」といった新機能を装備(Z6 IIIやZ50 II)。

 イメージングレシピはクラウドとの連携、カスタムピクチャーコントロールはPCで画作りを行う必要があるなど使い勝手はまだこれからという感じなのでまだ進化しそう。

ニコンのピクチャーコントロールは一般的なものから画作りに凝ったものまでもともと多彩だった上に、カスタマイズまで可能に

 ソニーの「クリエイティブルック」も個性的な画作りをいくつか持っている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR