1月最終週となった先週。さまざまな話題がアクセスランキングに入ったが、3位の『「スターリンクミニ」が届いた! 早速導入したお寺に聞いた“第一印象”と活用』は、タイトルに驚いた。
スターリンクは、衛星を使ったSpaceXの通信サービス。災害時や船舶での利用がイメージにあったが、早速導入したのは「お寺」。ITや通信のイメージと離れているのが面白い。
そのお寺とは、善立寺(長野県塩尻市)。副住職・こうじりゅうじさんは、僧侶が集まる機会などでネット環境を確保することに苦労していたため、導入を即決したそうだ。「お寺は既存のネット環境ではつながらないような場所にあることもある」とのこと。確かにお寺は、山深いところや崖、海辺にもある。興味深いレポートだった。
さて筆者は先週、最高額のChatGPTプラン「ChatGPT Pro」にまた課金した。2回目だ。月額200ドルに、消費税がかかる。決済履歴を確認したら、日本円で3万5079円引き落とされていた。つらい。
これだけあればAirPodsが買える。すし屋で豪遊できる。家族でいいホテルに1泊できる。キャンプなら3回ぐらい行ける。とてもつらい。
でも仕方なかった……。3.5万円のChatGPTで使える「o1 Pro mode」でないとできないことがあるのだ。
数万文字のインタビューの文字起こしを、中身やニュアンスを変えずに読みやすく整える仕事だ。AI文字起こしを丸ごとChatGPTに流し込み、誤字脱字を修正したり、改行を減らしたり、小見出しでまとめてもらうのだ。
筆者はChatGPTの他にClaude AIやGemini Proも使っているのだが、数万文字を処理させようとすると、何回にも分かれてしまうか、そもそも文字数が多すぎて受け付けてくれなかったりする。また、「一切要約しないで処理してほしい」としつこく指令しても、なぜか必ず要約したり、創作が入ったりする。
インタビュー取材では、先方の話をいかに正確に、ニュアンスを逃さず再現するかが重要だ。特に書き起こしの段階では勝手な要約や創作は絶対にしてほしくないのだが、o1 Pro以外のAIだとどうしても要約しがちだ。かといって、数万文字を手で起こし直すのもつらすぎる。
正確な書き起こしを人に頼んだり、自分の手でやって疲れ切って他の仕事ができなくなるよりは、3万円を払ったほうがいい。そう思って、なかばヤケクソで課金した。3万円のつもりで払ったら、円安と消費税のせいで3.5万円した。
1回の指令で数万文字を整えてくれる能力はとてもありがたいのだが、3.5万円分の価値があるかは微妙なところだ。o1 Proもまれに、勝手に要約することがある。それに、この使い方だけでは3.5万円の潜在力は全然引き出してないだろう。「長文インタビューの書き起こし整え機能」だけ切り出して、せめて5000円ぐらいにしてもらえないかな……。
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