米Adobeは2月13日、日本で開催中のカンファレンス「Adobe MAX Japan」において、同社の生成AI「Adobe Firefly」のβ版に動画生成モデル「Adobe Firefly Video Model」を追加した。画像生成モデルと同様、商用利用が可能なAIモデルとして提供する。また「Audio Model」も追加されており、20カ国以上の言語に対応した音声・動画翻訳機能も実装する。
Video Modelでは、テキストプロンプトによる動画生成のほか、静止画から動画への変換に対応。開始と終了の画像をそれぞれ設定できるキーフレーム設定により、詳細なコントロールが可能。解像度は1080pをサポートし、カメラアングルやショットアングル、モーションなどの設定、16:9あるいは9:16限定ではあるものの、縦型・横型アスペクト比の選択にも対応する。
Adobeの各アプリケーションとも連携可能。用途として、風景、雰囲気を演出する要素(霧や炎など)、動物の動き、2D・3Dアニメーションなどを想定しており、Bロールやビジュアルエフェクト、モーションを、ユーザーの意向に沿った形で生成できる。なお、人物を含むコンテンツについては現在も改良中とのことだ。
Audio Modelを使った機能として「音声と動画の翻訳」を実装する。これは、話者の声色を維持したまま動画・音声を多言語に翻訳できるもので、英語を含む20カ国の翻訳に対応予定。
FireflyのWeb版もUIを刷新した。VideoとAudio Modelを搭載したことで、既存のImage Model、Vector Model、Design Modelに一元的にアクセスできる、マルチモーダルでのクリエイティブ生成サービスとして生まれ変わっている。
今回追加された各モデルは、他のFireflyモデルと同様、Adobe Stockやパブリックドメインのコンテンツでモデルをトレーニングしており、ユーザーのコンテンツは学習に使用しないとしている。Adobe MAX Japanでも、Video Modelに関し、商用利用できる唯一の動画生成モデルであることをアピールしていた。
新機能の提供に合わせ、「Adobe Firefly Standard」(月1580円)と「Adobe Firefly Pro」(月4780円)の2つの料金プランも開始する。両プランとも画像・ベクター生成は無制限で利用でき、5秒間の動画生成、またはオーディオと動画翻訳については、Standardの場合、前者が最大20本、後者が最大6分間。Proの場合、前者が最大70本、後者が最大23分間となっている。
なお、より高度な機能を求めるユーザー向けに「Adobe Firefly Premium」も近日提供予定としている。
Adobe MAXで発表された主な新機能 生成AI「Firefly」でアプリ強化
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