富士フイルムの「instax WIDE Evo」は、ジャンルとしては「チェキフィルム」を使うインスタントカメラだ。しかし使ってみればすぐに分かるけれど、このカメラはまるで「インスタント」ではない。
本来、サッと撮れて、すぐに撮影結果を手にすることができるスピード感こそがポラロイドやチェキの本領だった。しかしデジカメの登場以降、そのスピード感にあまり意味がなくなり、その代わり一回性の強いライブ感と、モノとしての「写真」をその場で手にすることができることが魅力となった。
それでもサッと撮れるというのは、インスタントカメラだけでなく、あらゆるカメラが向かってきた進化の方向性で、それは「シャッターチャンス」という言葉があることでも明らか。ところが、このinstax WIDE Evoの機能をフルに味わおうと思ったら、シャッターチャンスなんて言葉は捨てなければならない。
「撮影に没頭して絵作りを楽しんでもらうカメラ」というコンセプトは、前の「instax mini Evo」でも言われていたことだが、今回フラッグシップ機として作られているせいか、そのコンセプトはさらに突き詰められ、被写体にカメラを向けてからシャッターを切るまで、長ければ数分は要するカメラになっているのだ。そして、だからこそ“撮る”という行為がとても楽しい。
「Evoというのは、エボリューションとかエヴォルヴとかから来ていて、そういう中から色々抽出した、かなり没入感をイメージしたブランドです。『instax mini 12』や『instax Pal』は、撮影とプリントを楽しむという方に向けた製品です。友だちと一緒に騒ぎながら撮る軽快さを大切にし、チェキを楽しんでもらいたいというモデル。一方で、被写体や自分の内面と向き合いながら撮るプロセスを含めた楽しみを提供するというのが、『Evo』というブランドです」と話してくれたのは、富士フイルムでコンシューマーイメージンググループ統括マネージャーを務める高井隆一郎さん。
そのコンセプトがイヤというほど伝わるのが、今回の製品だった。何といっても、使えるエフェクトの数がすさまじい。フィルムエフェクトが10種類、レンズエフェクトも10種類に加えて、レンズエフェクトの掛かり具合を100段階で調整可能。そして、仕上がり自体も6種類のフレームで加工できる。
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