小寺信良のIT大作戦
7割近くの学生が課題などにAI使用 避けられない教育現場、新時代の“学び”をどう評価するか(3/3 ページ)
では高校ではどうか。高校の場合は、大学進学を前提とした普通科の高校がある一方で、就職や専門学校への進学を目的とした実業系の高校もある。学ぶ内容はもちろん、学ぶ目的も違っているため、一概には語れないところではある。
ただ、AIを勉強相手として、あるいは解説要員として利用するという学習方法は有効であり、多くの通信系学習塾での導入が進められている。しかし安易に課題をAIからのコピペで済ませるという風潮も広がっており、高校は高校でその指導が求められている。
いずれにしても高校の次のステップは、筆記試験だ。普通科の生徒は大学入試が待っているし、実業系の生徒は資格試験が待っている。やはり「覚えているか」「身についているか」が強く問われるところだ。これは明らかに大学でのAIの使わせ方とは異なる。
問題は、学校教育は転換するのにものすごく時間がかかるということである。特に高校は学習指導要領や教育委員会の意向に縛られるため、短期間での転換はかなり難しい。当面は、学習塾や予備校などでAIを使った指導というのが主力になるだろう。
一方大学は、私立大学を中心に生徒の獲得に過酷な競争が発生しており、推薦枠が半分ぐらいにまで増加している。筆記試験なしで入学できる大学も多い。こうした傾向は、高校で勉強する子としない子を極端に分ける。だがその子たちは結局、同じ大学で合流することになる。
学力が格段に違う状態がスタート地点では、4年間同じ学びを得たとしても、同じレベルになることは難しいだろう。大学でAIの使い方を指導しても、やっぱりコピペで出してくる子の発生は避けられないのかもしれない。
AIの登場によって、高校においても大学においても「人間の学びとは何か」が改めて問われることになったということなのだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
2
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
3
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
4
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
5
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
6
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
7
GMO、不正取引の被害額を補償へ 見舞金5000円も 「お名前.com」FX用VPSへのサイバー攻撃で
-
8
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
9
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
10
TYPE-MOON、慈善団体を設立していた 「ノーツすこやかこども財団」としてこども食堂を支援
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR