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テスラ車の現オーナーが日本法人へ「喝!」 相次ぐ納車トラブルに募る国内体制への不安走るガジェットTeslaに乗ってます(2/2 ページ)

» 2026年07月06日 14時30分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]
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既存ユーザーも不安に陥れる今後のサービス体制

 例えば、延長保証に加入している場合、保証対象外事由として次の項目が明記されています。「保証の制限」項目に「Tesla延長保証の対象となる欠陥を発見したにもかかわらず延長保証対象車両をTeslaサービスセンターまたはTesla認定修理施設に移動させ、またはTeslaが推奨する修理もしくは整備を行わなかったこと」とあります。

2026年7月2日現在の延長保証の価格。安心を得るなら新車購入直後に購入するのがお得か? 最大で6年、8万キロまで保証を伸ばすことが可能

 これをかみ砕いた言い方に直すと「保証対象となる欠陥について、他社の整備施設で整備を受けた帰結として、車両に不具合が生じた場合は保証対象外」ということになります。他社で整備したら即保証対象外というわけではありませんが、このような項目が最上位に記載されている以上、ユーザーとして安心・安全を優先するなら、TeslaサービスセンターまたはTesla認定修理施設でのサービスを第1に望むと思うのです。すくなくとも筆者はそう感じています。

 しかし、肝心のサービス拠点のキャパシティー不足で、「保証対象となる欠陥」が表面化したにもかかわらず、整備や修理の順番待ちに時間がかかり、自分の車両を運用できない事態に陥る可能性は否定できません。おまけにテスラジャパンは、代車の数に限りがあるようで、筆者の経験則では相当前からの代車予約が必要でした。ユーザー数が増えると状況はさらに悪化する可能性があります。

 日本におけるTesla車の販売台数は、グローバル市場と比較して決して多くはありません。従って、サービス拠点や整備等の人材への投資が思うように進められない苦渋もあるでしょう。ニワトリと卵ではないですが、投資を行うためには販売数を増やさねばなりません。まさに成長段階ゆえのジレンマです。

日本型「もみ手」接客を期待するべからず

 日本では、ディーラーでクルマを購入することが一般的です。ディーラーは車両の利幅、オプションのような付帯商品や、点検等のサービス、メーカーやインポーターからのインセンティブなどで利益を得ているといいます。ケース・バイ・ケースで差があるようですが、粗利は販売価格の1割から2割程度というのが一般的だと言われています。

 その一方でテスラは直販モデルなので、販売現場の収益構造は、日本のディーラーとは別構造です。裏を返せば、日本のTeslaユーザーは、ディーラーが受け取る利益を支払っていない分、車両を安価に購入可能という見方も成り立ちます。

 なぜ、上記のような思考に至ったのかというと、先日、独フォルクスワーゲンのディーラーに出向き「ID.4」に試乗してきました。その際、久しぶりに「もみ手」での接客を受けました。まあ「もみ手」は「手厚い待遇」と読み替えてください。約束の時間に訪問したらディーラーの敷地入口で担当者が直立不動で出迎えるは、キャビンアテンダントのようなコスチュームの女性スタッフが飲み物を提供してくれるわ、退出時には視界から消えるまで30度の角度でお辞儀をしてくれるわで……。

 20年近く前に正規ディーラーで購入した前車メルセデス・ベンツ以来の体験でした。その前の仏シトロエン(新車を4台乗り継いだ)のときもそうでしたが、営業担当者が納車セレモニー的な振る舞いをしてくれたのを思い出します。

点検等でディーラーを訪問すると飲み物が振る舞われるのが当たり前で、Tesla納車時のドライな対応に面食らった記憶がある

 それと同時に、約5年前のTeslaの購入時のドライな対応とのギャップに思わず吹き出してしまいました。ID.4はすべて込み込みの見積もり額で約760万円と高額で、Model 3のコスパの良さを再認識させられました。同時に760万円の中には、ディーラーの利益も含まれていると思ったのです。

 ディーラーの取り分が上乗せされていないからその分Tesla車両のコスパが良いのかもしれません。だからと言って、テスラジャパンの混乱した体制を正当化する理由にならないことは百も承知です。ですが、クルマの購入やその後の運用において日本型の「もみ手」接客を期待するのであれば「Teslaはなし」という認識をもつ必要がありそうです。少なくとも現状においてはそうです。

 イノベーターやアーリーアダプターに属するTeslaユーザーであれば、「まあ、テスラだからしょうがないね」で見過ごされていたことも、これからは違います。日本のスタイルに慣れた多くの平均的なユーザーがたくさん誕生していますし、これからも増えるでしょう。クルマの購入はある意味人生の大イベントです。そのようなユーザーにとって現状のような不首尾丸出しの体制を続ける限りは、ブランド価値を毀損し、その先にあるのは、販売数の低下とユーザー離れです。

 このような「負のスパイラル」という落とし穴を避ける意味でもテスラジャパンのかじ取りが正しい方角に向かうことを切に望みます。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla


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