VX980は、メーカー製のPCではおそらく初めてであろう、トリプルチューナーカードでTV視聴・録画を支えている。
装備されているのはアナログ地上波、地上デジタル、そしてデジタルBS/CS(110度衛星放送)のチューナー内蔵ビデオキャプチャカードだ。これらは別々のカードで用意されているので、アンテナ配線は最低3本必要になる(F23W11にはアンテナOUT端子と接続ケーブルが付属している)。
デジタル放送は4月よりコピーワンス信号が入るようになるが、その際に視聴に必要となるB-CASカードとカードリーダーも付属される。つまり、日本で見ることができる電波放送はほとんど対応するというわけだ。見ることができないのはスカパーぐらいだろうか。
装着されているのはアナログ地上波がハードウェアMPEG2圧縮にゴーストリデューサー、3D Y/C分離、タイムベースコレクタ等の高画質回路の入ったSmartvision HG2/R相当、デジタルBS/CSはかつて販売されていたSmartVision BS サポートキットNX相当で、これに今回新開発になる地上デジタルカードと専用USBリモコンが用意されている。
コンテンツ保護のため、デジタル放送の録画はHDD上には暗号化して記録されるので、専用の視聴ツール以外での閲覧はできないようになっている。録画した動画もエクスポートは可能だが、元のマシンに戻さないと閲覧できない。これは致し方ないところだ。ちなみにアナログ放送に関しては家庭内LANで他のマシンからも視聴できるようになっている。
これらのボードはすべて専用のソフト「SmartVision/SmartVision BS/SmartVision DG」で利用することになる。ユーザーインターフェースはほぼ同じだが、プログラムが別なのは、同時起動ができないこともあって、ユーザビリティに優れているとは言えない(ただし同時録画は可能)。
チューナー内蔵ビデオキャプチャカードがそれぞれ別々なのに加えて、NEC Directでは3種類のTV視聴オプションとして販売されているので、プログラムを合体させるのは難しいのだろう。
なお、EPGはアナログ放送が「ADAMS-EPG」(朝日放送系)と「ADAMS-EPG+」(インターネット)で参照できるほか、デジタル放送は放送波と同時に送られるデータを利用している。画面表示や予約方法はほぼ同じだ。また、デジタル放送やBS/CSのアンテナレベルは家電製品同様レベル表示できるため、セットアップは簡単だ。
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