AMD、小売デスクトップPCでIntelを抜く

» 2004年05月06日 10時03分 公開
[IDG Japan]
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 Current Analysisが4月末に発表した調査報告によれば、4月18日〜24日の1週間に米小売市場で販売されたデスクトップPCでは、AMDプロセッサを搭載するマシンがIntelプロセッサを搭載するマシンの台数を上回った。

 Current Analysisは数四半期前にこの市場の調査を始めたばかりだが、同社アナリストのトニ・デュボアーズ氏は、いちばん最近の調査でAMDが最高記録を出したと語っている。

 同氏によれば、Current Analysisが昨年11月にこのデータの追跡を始めて以来、AMDベースのデスクトップPCの販売台数がIntelベースのそれを上回ったのは今回が初めてという。

 「AMDがコンシューマー市場で勢いを伸ばしつつあることの表れだ」と同氏。同氏によれば、Athlon XPおよび新しいAthlon 64を搭載するPCは、AMDが既にある程度の成功を収めているローエンド市場だけでなく、高価格帯のデスクトップ市場でも販売台数を伸ばしている。

 もっとも、全体として市場を支配しているのは依然としてIntelだ。PC市場の中でも最も急成長中のノートPC市場では、特にそれが顕著だ。デュボアーズ氏によれば、4月24日までの1週間に販売されたPCのうち61%はIntelプロセッサを搭載し、同期間に販売されたノートPCのうち81%がIntelプロセッサを搭載している。

 それでもデスクトップPCの販売はPC市場全体の60%を占めており、AMDはこの分野でIntelに対して最も善戦している。Hewlett-Packard(HP)などのPCメーカー各社も小売で販売するAMD搭載デスクトップPCの種類を増やしつつあり、例えば、HPの3つの新しいPavilionモデルが、今回AMDがIntelを負かす上で貢献したとデュボアーズ氏は説明している。

 だがIntelが今四半期に投入を予定しているGrantsdaleチップセットにより、IntelベースのデスクトップPCの販売に弾みが付くと見られている。Grantsdaleは、インターコネクト技術PCI Expressのサポート、高速DDR2メモリ、および無線アクセスポイントの統合により、システムの性能を全体的に強化する。Intelと提携するデスクトップPCメーカー各社はGrantsdaleが正式に発表され次第、新規システムを投入する予定だ。

 そうした新規PCの登場により、Intelはこの先再び小売デスクトップPC市場のトップに返り咲くだろうとデュボアーズ氏は指摘している。

 またMercury Researchのアナリスト主任ディーン・マッキャロン氏は、市場に投入されるx86プロセッサ全般に関して言えば、Intelが依然としてAMDよりも明らかなリードを保っていると語っている。

 同氏によれば、第1四半期にシステムメーカーと流通業者に出荷されたデスクトップ、ノートPC、サーバ向けのプロセッサのうち、83.6%はIntelプロセッサ、14.9%がAMDプロセッサとなっている。

 AMDのOpteronプロセッサに対する関心の高さにもかかわらず、Intelは依然として、x86命令セットをベースとしたサーバ市場を90%以上の市場シェアで支配している。AMDが今四半期に小売分野で成功しているにもかかわらず、全体的な数値ではIntelがAMDよりもはるかに優れているのはこのためだ。

 またマッキャロン氏によれば、全体的に見て、今年第1四半期のプロセッサ市場は季節的な要因を加味しても若干低調だったという。この市場は通常、1年の上半期は下半期よりも低調で、下半期になると新学期や年末商戦期などの影響で活発化する。

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