「VAIOパーソナルコンピューター type T」(以下VAIO type T)は10.6インチ、最大解像度1280×768ドットの液晶ディスプレイを搭載し,DVD+-RWドライブを内蔵した2スピンドルノートPC。今回使用したVGN-T70B/Lはその上位モデルで,CPUには超低電圧版のPentium M 733(動作クロック1.1GHz)を搭載しており,長時間のバッテリー駆動と高いパフォーマンスを両立している。
VAIO type TはVAIO type TRの後継に位置づけられる製品だが,2スピンドルノートの宿命とも言われている厚みを改善したのに注目したい。最薄部は25ミリとVAIO type TRから9ミリも薄くなり,厚みのあるヒンジ寄りでも34ミリとVAIO type TRの最薄部よりもさらに薄い。これだけでも、「ぐっ」とスタイリッシュなイメージになった。
バッテリー動作時間も8時間と大幅に強化された。利用効率の高い直列型の6セルバッテリー,VAIO type TRでいうバッテリーパックLが標準になったという事情もあるが,それでも重量は1.38kgとわずかながら軽量化されている。バッテリーが重くなった分を,軽量なパーツを多用した本体側の軽量化でカバーしている。
薄くなったVAIO type TのフットプリントはVAIO type TRとほぼ変わっていない。しかし、操作性の細かな改善がそこここに施されている。カーソルキーを最前列のキーより僅かに手前に引き出すことで独立性を確保し、そのおかげで右シフトキーも大型化された。キータッチが格別良好という印象も受けないが,キー入力に関してとくに不満は感じなかった。フラットパッドも大型化され、より使い易くなっている。
VAIO type Tを特徴づける大きな要素はそのデザイン。既に述べたように、VAIO type TRと比較すると格段に薄型化され、「ミッドナイトブルー」「バーガンディーブラウン」という皮の色合いを意識した渋めの「青」と「赤茶」のカラーリングモデルを用意。全体のデザインもシャープでシンプルなラインで構成されるようになった。なお、店頭モデルの上位機種「VGN-T70B/L」ではミッドナイトブルーのみが販売される。
表面加工も「皮シボ」を意識した細かな凹凸を持たせて質感と手触りにも配慮。さすがに感触は柔らかい皮に遠く及ばないが,滑りにくく、かつ指紋が残りにくくなるなど、デザイン面だけでない、使い勝手の向上に貢献している。
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