通常、検索結果は、類似度の高い順に一覧表示される。必要に応じて、作成者、作成日等を指定してリスト表示することも可能だ。また表示される本文は、「全文表示」だけではなく、検索に採用した文章中に登場したキーワードをカラー文字、あるいは反転文字でマーカーした形式で表示される「強調表示」や、文章全体を要約した短い表現の「要約表示」などを必要に応じて即座に切り替えて見ることが可能だ。「要約表示」は検索した文書の内容を手際よく確認していくのに役立つ。
このようにジャストシステムのConceptSearchは、IT機器にそれほど習熟していないごく一般的なユーザーでも、「自分のクライアント機器」に「いつの間にか自然と溜まってしまった価値あるテキスト情報」をDB化し、それを「自然な文章表現」で検索・活用できる画期的な情報価値創造のソフトウェアだ。このソフトの内部には難しいテクノロジーが隠れているが、実際に使う上ではそんなことはまったく気にする必要はない。次回はより具体的な事例を使って、ConceptSearchでどんなことができるようになるのか、紹介していくつもりだ。
ConceptSearchのコンセプトと概要をご理解いただけただろうか? 繰り返しになるが、それらを要約すると次のようになる。
インターネットは、世界で毎日のように何百万ページ以上も増殖を続け、「無限の可能性」のある情報の宝庫だと思われがちだが、余りに膨大すぎて、的確な情報を確実に見つけるには、それなりに難しい。
一方、ビジネスの最前線に位置し、多くの情報を蓄積しているユーザーなら、自分に最も関係の深い関連情報や、既にその存在は忘れていても、真偽の程は自らが最も理解している信頼性ある情報が自然と集まっているはずだ。それらをすべて含んでいるクライアントPC内部の巨大なハードディスクは、常に手元にあり、ネットワーク環境以外でも「情報活用」に利用できる。
もちろん、“できるビジネスピープル”はこの両方を確実に使いこなすことが目標だが、昨今、競争相手の多くの眼が、「無限の可能性」にのみ惹かれて、グローバルなインターネットに向かうのは当然だ。しかし、もっと身近に多いに役立つデータが存在することを再認識すべき時なのかも知れない。
探しても探してもなかなか見つからない「金脈」、「鉱脈」、「人脈」そして「温泉」も、意外と身近に存在するモノだ。古くからの諺に「灯台もと暗し」、「遠くの親戚より近くの他人」というのがある。やはり昔の賢人は既に未来の先端ITワールドをも見通していたようだ。
意識しない内に、自然と、自分のクライアントPCに集まってきた価値ある情報を、ConceptSearchを活用し、見直してみる良い機会だろう。ライバルに対して、爽快な「出し抜き感覚」を得られることは間違いない。
竹村譲(Joe Takemura)氏は、現国立高岡短期大学産業造形学科教授。日本アイ・ビー・エム在籍中は、DOS/V生みの親として知られるほか、超大型汎用コンピュータからThinkPadに至る商品の戦略を担当。今は亡き「秋葉原・カレーの東洋」のホットスポット化など数々の企画で話題を呼んだ。自らモバイルワーキングを実践する“ロードウォーリア”であり、「ゼロ・ハリ」のペンネームで、数多くの著作がある。ライフワークは「ワークスタイル・イノベーション」。2004年3月、日本IBMを早期退職し現職。ブランド戦略やワークスタイル変革を研究中。
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