5分で分かった気になる、今月のアキバ事情：2005年6月（2/2 ページ）

[古田雄介（アバンギャルド）＆ITmediaアキバ取材班，ITmedia]

名前勝ち？　いやそれだけでは売れない。夏商戦ストレージ事情

　19日の調査時、3.5インチHDDで現状最大容量となる500GバイトHDD、日立GST「Deskstar 7K500」がBLESS秋葉原本店などに入荷されるなど、夏ボーナス商戦に大きな購入動機となりえる製品が登場した。

　加えて「自作ユーザーの興味は、すでにTバイト相当の領域まで達しています」（クレバリー インターネット館）とのことで、複数台のドライブを搭載できるHDD外付けケースも一緒に人気を集めている。

　その中でも人気なのが、センチュリー「ドライブドア EX35Quat」。同機は4台のIDE HDDを搭載できる外付けHDDケースだ。9日にオープンした「クレバリー インターネット館」は、「現在、Gバイト単価も安く、値頃感のある250GバイトモデルでTバイト級まで持っていける仕様がユーザーに大ウケしています。いまキャンペーンの目玉商品です」と話す。ネーミングで惹きつけつつ、仕様も魅力。人気パーツとなりえるセオリー通り・お手本のような製品だといえる。キャンペーン価格は1万6779円だった。

今年2月に登場したセンチュリー「ドライブドア EX35Quat」。価格は1万7000円前後

　もう1台は、3.5インチHDDを2基搭載可能なNASキット、挑戦者「LANTANK（白箱）SOTO-HDLWU」（関連記事参照）。この製品もショップによるとユーザーのツボを押さえているとのことで、そこそこ人気だ。価格は1万9000円前後。玄人志向「玄箱」に対抗したのかどうなのか。若干のコンセプトや性能・機能の違いはあるが、もちろん大いにしているだろう。

挑戦者「LANTANK（白箱）SOTO-HDLWU」。HDDを2基設置可能な仕様で、iTunesより同機内データを参照ができる機能なども備わっている

　また、24日調査ではセンチュリー製2.5インチHDDケース「技アリBOX OTG-25EX」も登場した。リチウムイオンバッテリーを搭載し、USBメモリやメモリカードなどを接続して、液晶モニター下のボタンを押すとデータをPCレスで吸い出せるといった機能を備える。汎用性のあるデータ・フォトストレージといった機能が1万円以下で、というのが好評となっている。実売価格は9000円前後。

センチュリー「技アリBOX OTG-25EX」。価格は8900円前後

暑くなって冷却需要も増加──ファンコン製品、週ごとに販売数増加

　5インチベイに搭載するパーツとしては定番となっているファンコントローラに、VFDパネルを使った4チャネルタイプが登場。サイズ「iGuard」はCPUとVGA、ケースとHDDのそれぞれに、温度センサーとファンコントローラーを搭載しており、ファン回転数と温度を一覧表示できることが特徴だ。

　「ファンコンは表示を切り替えるタイプばかりでしたが、iGuardなら手をキーボードに置いたまますべての情報が確認できます」（クレバリー1号店）と、ショップの期待も高い。24日の調査時点で価格は4400円前後。在庫は潤沢だった。

アキバ複数のショップに入荷したサイズ製ファンコン「iGuard」

　また10日の調査時には、最大7基のファンを独立して制御可能なファンコン、COOLER MATE「Commander 7 CMT-07」も登場した。「7基のファンが必要なマシンはなかなかお目にかかれませんが、多機能＆高性能に魅力を感じるユーザーが多いようで、なかなかの人気です」（PCパーツショップ・CUSTOM）とのこと。

COOLER MATE「Commander 7 CMT-07」。価格は6500円前後、24日調査時では在庫数も潤沢だった

　3日調査時に発見したマイナスイオン発生機能付き空調アイテム、サイズ「イオナイザー IONIZER」も結構注目されている。内蔵する4センチファンでPC内の空気をフロントから放出するさいに、フィルターを通してマイナスイオンを発生させるというものだ。「なぜ今マイナスイオン？　と思いつつも、手頃な価格が受けてそこそこ売れています」（T-ZONE.PC DIY SHOP）という。

1500円前後で潤沢に出回っているマイナスイオン発生器、サイズ「イオナイザー IONIZER」。ホワイトとブラックモデルが用意されている

　暑くなると冷却需要が増加するのは例年通りだ。6月はまずファンコン、そして6月終盤から、夏ボーナスが入ったユーザー層を中心に大モノを、つまり水冷キットなどに注目が集まってきているようだ。