筆者の利用でもっとも多いのがテレビ録画。実はSmartVisionの単体製品を以前から使用していて、キーワードやジャンルで自動録画してくれるおまかせ録画を大いに活用していた。そもそも、PCのテレビ録画ソフトでまっさきに自動録画機能を備えたのもSmartVisionだ。タイプXでは2番組同時録画が可能なダブルチューナを選択したので録り逃しが大きく減るのはもちろんなのだが、実はおまかせ録画の進化にも少々驚かされた。
とにかく便利なのは、番組ジャンルや時間指定などでザッピング的に録画する場合だ。こういった自動録画機能では、例えばチャンネルやジャンルの指定は「なし」か1つだけという場合が多く、「民放のドラマだけ」とか「NHKのニュースとドキュメンタリーだけ」といった指定が非常に面倒だったり、条件の設定数の都合でできなかったりもする。ところがタイプXの場合、放送局、ジャンルともに複数指定が可能であり、より的確に絞り込んだ自動録画が行える。「民放のゴールデンタイムのドラマだけ」といった指定も簡単にできてしまうのだ。
EPG番組表も最大1週間分をPC側に蓄積しておくタイプなので、実際におまかせ録画でどの番組が録画されるかも瞬間的に検索して一覧表示してくれる。インターネットから毎回情報を取得するタイプと違い、表示の待ち時間もほとんどない。ことテレビ録画に関しては極めて快適だ。
ネットワークテレビ機能についても触れておこう。LAN接続した他のPCに「SmartVision Player」をインストールしておくと、録画した番組はもちろん、リアルタイムの放送もLAN経由で視聴できるのだ。録画番組は700Kbps〜1.7MbpsのMPEG4形式に変換して配信することができるので、無線LAN接続のため高い通信速度が確保できていないPCでも快適に視聴できる。放送中の番組も、MPEG2形式で配信することが可能だ。録画予約すら、他のPCからもできるようになっている。ノートPCをあたかも無線テレビ+レコーダのように利用することだってできるのだ。
強力なテレビ録画やネットワークテレビ機能に加え、タイプXはDLNA対応予定のAVサーバ機能も標準で装備する。最近はネットワークメディアプレイヤーのDLNA対応も進んでいるので、PCレスでリビングの大画面テレビで録画した番組や蓄積したAVコンテンツを楽しむことも可能だ。
今回デュアルコアのPentium D 820をチョイスしたことも、やはり正解だった。筆者は頻繁にDivXでのエンコードを行うが、エンコード中でもテレビ録画が安定して行えたのはもちろん、それなりにCPU負荷の大きなネットワークテレビ機能もスムースに利用できた。
現時点ではDivXがマルチスレッドに非対応なので、デュアルコアの片方しか使わないという点がプラスに働いたということもあるだろうが、「エンコード中はAVサーバとして事実上機能しない」なんてこともほとんどなかった。今まではエンコード中は何かしらの不便を感じていたわけだが、タイプXはそれをほとんど感じさせないのだ。
もちろん、24時間稼動のAVサーバとして使っても、動作音がほとんど気にならないのは何よりも嬉しいポイント。筆者はもう10年を超えた筋金入りのPC自作派だが、静音PCという点では、トータルバランス的に見てタイプXに匹敵できるPCが易々と自作できるとは思わないし、BTOでシンプルに購入したタイプXをベースに、あれこれ手を入れていくのも悪くないと思う。
基本として高性能と静音性を両立しているタイプXは、BTOで好みのPCに組み上げてから購入したい人にとっても、買ってからどんどん手を入れて自分好みのPCに仕立てたい自作派にとっても、極めて魅力的なデスクトップPCなのではないだろうか。
国内メジャーPCサイト5社が一斉レビュー
国内のメジャーPCサイト5社がNEC Directで用途別にノートPC、デスクトップそれぞれお薦めBTOを紹介。同時に、読者が選んだ人気1位のマシンが抽選で1名にプレゼントされる、投票キャンペーンも実施。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:日本電気 株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年11月30日