「読めて書ける」BDドライブの恩恵は?──ソニー「VAIO type A VGN-AR70B」新世代光学ドライブ搭載ノート連続レビュー第3回(1/3 ページ)

» 2006年08月01日 17時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
国産ノートPC店頭モデルで唯一のBDドライブ搭載ノートとなるVAIO type A 「VGN-AR70B」

 VAIO type Aシリーズは17インチワイドの大画面を搭載する完全なデスクトップPC代替を狙った大型ノートPCだ。上位モデルで新製品が投入されるのは2005年秋冬モデル以来となる(その2005年秋冬モデルにしても店頭販売モデルは準備されていなかった)。2006年夏モデルは、AV機器ベンダーでもあるソニーらしさが光る構成で、店頭販売モデルが2モデル、VAIOオーダーメードモデルが4モデル準備された。

 今回評価しているのは店頭販売の上位モデル「VGN-AR70B」だ。ノートPCでは初のBlu-ray ディスクドライブ(以下BDドライブ)搭載製品である。すでに一連の連続レビューで掲載してきた東芝富士通の製品が搭載するHD DVD-ROMドライブとBDドライブの大きな違いは、大容量の次世代DVDメディアに「書ける」ことになる。この違いが、本製品を先の2製品と大きく異なる位置付けにしている。

 「VGN-AR70B」のスペックをチェックしてみよう。繰り返しになるがBD-R、BD-REの2種類のBDメディアに書き込み可能なBDドライブを搭載することがこのノートPCの最も大きな特徴となる。このドライブはDVDスーパーマルチ機能も兼ね備えているので、すべてのレコーダブルDVDメディアの読み書きに対応できることになる。17インチワイドサイズの液晶ディスプレイの高解像度はフルHDに対応可能な1920×1200ドットを表示できる。

搭載する17インチワイド液晶ディスプレイは最大解像度1920×1200ドットを誇る。内蔵するBDドライブはBD-RE DL、BD-R DLに対して等倍速、DVD+R DLに対して2.4倍速、DVD-R DLに対して2倍速、DVD±RWに対して4倍速の速度でそれぞれ書き込みが可能である

 店頭モデルが搭載するテレビチューナーは地上アナログチューナーのみ。VAIOオーナーメイドモデルでは地上デジタルチューナーも選択できるが、それでも搭載できるテレビチューナーは1種類のみとなっている。「デジアナ」ダブルチューナーが当たり前になりつつある競合製品とは異なるスタンスだ。

 CPUにIntel Core Duo T2500(動作クロック2GHz)、チップセットにIntel 945PM、グラフィックスチップにGeForce Go 7600GTを採用。1GバイトのDDR2メモリをデュアルチャネルで搭載し、HDDは100Gバイト×2台をストライピングされたRAID 0構築状態で出荷し200Gバイト HDDとして利用している。Dドライブとして163Gバイトが確保されているのでファイルサイズが大きくなりがちな動画ファイルの保存にも十分対応できる。

 17インチワイドのディスプレイを搭載しているためフットスペースは競合製品と大きく変わらない。ただし、厚みを最薄部33.5ミリ、最厚部41.5ミリと一般的なA4ノートPC並みに抑えている。重量も約3.8キロと競合製品より1キロも軽い。このクラスの製品としてはスリムで軽量なのはいかにもVAIOらしい。据え置き利用がメインのノートPCであってもこの1キロの差は大きい。5キロ近い製品は従来のノートPCとはもう「別物」という印象を受けるが、本製品は「ちょっと重たいノート」という程度で済む。実際、VGN-AR70Bは成人男子であれば片手で持ち運ぶ気になれるが、5キロ近い製品では両手で持つか片手で抱え込むように持たないと不安になる。4キロも5キロも一緒だよ、と思うユーザーも多いだろうが、使わないときは片付ける、部屋間での移動が多い、といった場合には、この約1キロの重量差は重要なポイントになる。

マグネシウムに鏡面仕上げと洗練のデザイン

 AV機器を強く意識したデザインもVAIO type Aの特徴だ。プレミアムブラックと呼ぶ黒基調の筐体のボトムケースにはアクセントになるシルバーを取り入れた。キーボードも限りなく黒に近いグレー、キーボードフレームとパームレストの一部にはアクリルパネルも使用している。店頭販売モデルの本製品とVAIOオーナーメイドモデルの上位製品であるVGN-AR90Sではトップケース、いわゆる天板をピアノフィニッシュのような光沢仕上げとしている。コンパクトなノートPCと異なり出先でそのデザインを主張することはまずないが、薄いスタイルも相まって閉じたときのたたずまいは所有欲を大いに満足させてくれる。またこの薄型化を実現するためにトップケースにはマグネシウム合金を用いている。

 利用頻度が必ずしも高くないと思われる側面のポート類はカバーに収める一方で、利用頻度が高いUSBポートは常時露出するようになっている。このあたりの使い勝手とデザイン重視のバランスも絶妙だ。USBポートは右側面に2つ、背面左側に1つと筐体サイズの割りに少ないが、これはプリンタやストレージなどは背面にUSBハブを接続すれば済む、という判断だろうか。右側面のUSBポートやPCカードスロットはシルバーのストライプ部分に位置し、デザインの一部としてうまく処理している。

 キーボードは筐体サイズが大きいこともあって余裕のレイアウトになっている。パームレスト部よりキーボードをわずかに低い位置にするなど、使い勝手を配慮した工夫も施されている。しかし、フラットパッドとキーボードの間隔は気になるところだ。親指でパッド操作をする人はともかく、中指や人指し指で操作する人はどうしても手の動きが大きくなりそうだ。マウスボタンを最前部にエッジに組み込むためにパッドの位置を意図的に手前に置いたデザイン優先の感がある。実際にはマウスを繋いで利用する人が多いとは思うが、ユーザインタフェースという点で唯一気になった部分だ。

正面にはメモリースティックスロット(Duoサイズ対応)、SDメモリーカード/MMC兼用スロット、無線LANオンオフスイッチが、背面にはアンテナ端子1つとUSB 2.0が設けられている
左側面は光デジタル音声出力とBDディスクドライブが、右側面にはUSB 2.0、PCカードスロット(TypeII×1)、ExpressCardスロット、i.LINK、Sビデオ主力、HDMI出力、LAN、モデルが用意されている

底面からメモリスロットとHDDベイにアクセスできる。HDDは2台搭載可能で評価機はRAID 0(ストライピング)が構築されていた
キーボードの部分は段差がつけられていてパームレストより少し低くなっている。キーボードの右上にはメディアプレーヤーのコントロールボタンが、左脇には2つのショートカットボタンと音量調整ボタンがついている

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