直販PCの巨人デルは、コストパフォーマンスに優れた液晶ディスプレイやDLPプロジェクタでも注目を集めている。同社のDLPプロジェクタは全5モデルが用意され、いずれもビジネスユースを重視しつつ、ホームユースにも配慮したマルチパーパスプロジェクタとなっている。
10月12日に発売された新モデル「デル 1800MP」は、ラインアップの下から2番手に位置する「ハイバリューXGAモデル」だ。価格は10万8000円とエントリーモデル並みに収まっているが、基本スペックは解像度1024×768ドット、明るさ2100ANSIルーメン、コントラスト比2000:1とミドルレンジモデルの水準に達している。同価格帯で購入できる国内メーカーの製品は、800×600ドットの解像度もしくは2000ANSIルーメン以下の明るさのものが大半で、なかなか戦略的な価格設定だ。
1チップのDMDパネルを採用した製品の特徴として、3板式の液晶プロジェクタより本体を小型化しやすいことが挙げられるが、1800MPもその例外ではない。サイズは244×211×115ミリとB5サイズノートPC並みのフットプリントで、質量は約2.1キロと軽量だ。横幅と奥行きが短い一方で高さが115ミリあるため、本体はやや厚く感じるが、これだけ小型軽量なら持ち運んでの利用も十分可能だろう。製品に付属するナイロン製のキャリングバッグ(ショルダーベルト付きの2ウェイタイプ)には、本体、リモコン、ケーブル類をまとめて収納できるため、携帯時に役立つのはもちろん、未使用時にしまっておくさいにも場所を取らない。
設置方法については、フロント投射、リア投射、天吊りフロント投射、天吊りリア投射に対応しており、オプションで天井取り付け用キット(2万4000円)も用意されている。小中規模の会議室や店内ディスプレイ用に、据え置きで利用してもよいだろう。
投射レンズはF2.35〜2.47、f=21.83〜23.81ミリの光学1.1倍ズームレンズで、フォーカスとズームは手動で調整する仕組みだ。台形補正(デジタルキーストーン)は垂直方向に±16度の調整が可能だが、水平方向の歪み補正には対応していない。とはいえ、前面には高さ調節用の単脚、背面左右には傾き調節用のホイールがあり、角度合わせは容易に行える。投射距離は、約2.6メートルで60インチ、約4.3メートルで100インチと国内メーカーの製品と比較してやや長めだ。とくに狭い部屋で使う場合は、投射距離が取れずに画面が小さくなりがちなので、以下の投射距離図を確認してほしい。
インタフェースはPCとの親和性が高い構成になっている。映像入力は4系統あり、アナログRGB(15ピン)×2に加えて、S-Video×1とコンポジット×1を搭載。内蔵モノラルスピーカ(出力2ワット)用にステレオミニの音声入力、リモコンでのページ操作用にUSBポートも装備する。
DVI-DやHDMIといったデジタル映像入力には対応していないが、オプションの3RCAコンポーネント−アナログRGB変換ケーブルを使えば、DVDプレーヤーなどのコンポーネント出力端子と接続することが可能だ。
PCと1800MPをアナログRGBで接続して電源を入れたところ、約11秒でデルのロゴ映像、約43秒でPCの映像が表示された。急なプレゼンテーションでも待たされる印象は少ないだろう。リモコンでの操作についても、本体の受光部が前面と上面後方の2カ所にあるため扱いやすい。
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