「Poserフィギュアパック もえたん」の発売にあわせて、“イリドル”(イリュージョンアイドルをこう呼ぶらしい)ユニットの「ACE」3人による記念イベントが開催。会場となったドスパラアキバ店前には40人ほどの人がつめかけ、通行人の足を止めていた。
もえたん(「萌える英単語 〜もえたん〜」/三才ブックス)は、ある種の人間が持つ嗜好を巧みについた例文で高い人気を誇る英単語集。シリーズには内容を英会話・英語表現まで拡大した続編や、リスニングCDなども販売され、2007年夏にはアニメ化もされている。
今回発売された「Poserフィギュアパック もえたん」は、登場キャラクターの「虹原いんく」と「パステルいんく」を3Dフィギュア化したPoserアプリケーション用のキャラクターセット集で、キャラクターフィギュア本体のほか、衣服や小道具などが同梱され、すでに発売されているPoserフィギュア「にあ☆みぃ」との互換性も持つ。このほか、ダウンロード版には個別に「Poserフィギュア もえたん 虹原いんく ダウンロード版」および「Poserフィギュア もえたん パステルいんく ダウンロード版」も用意されている。
今回の「Poserフィギュアパック もえたん」にあわせて、Poserの低価格版「iPoser 7」が8月3日にリリースされる。パッケージを見れば分かるとおり、共通するキーワードは“萌え”。イーフロンティアで同製品の企画を担当した坂口秀之氏(製品企画本部)は、Poserの潜在ユーザーに対して“萌え”要素が大きな訴求力になると考えている。
「弊社はプロフェッショナル向けのShadeをはじめとして多数の3DCG系ソフトウェアをラインアップしていますが、その中でモデリング機能を持たないPoserは、ホビー向けの製品に位置付けられます。ただ、海外ではよく知られているのですが、(ライト層向けで)ユーザーの裾野が広いにも関わらず、日本での知名度はまだまだ低いのです。その要因には、例えば用意されているキャラクターが“いかつい”外国人仕様になっているといった、日本人には受け入れられにくい現状がありました」
――サイモン(最近追加されたキャラクターでちょっとマッチョ)ですか?
「ええ(笑)。ですので、日本で売るためには、国内市場を念頭に置いたコンテンツを開発する必要がありました。ただ、それなら日本人のキャラクターを用意すればいいのかと言うと、おそらくそういうことではないと。そこでいろいろと市場調査をするうちに、YouTubeやニコニコ動画で日本人がアップしているような作品に使いやすい、“萌え”要素の強いデータが受け入れられやすいのではないかと考えました。Poserではイチからキャラクターを作成することはできませんが、例えばニュースキャスターの声にあわせてキャラクターが動くといったコンテンツは、比較的簡単に作成できます。(Poserは)ちょっとした遊びで使うのには、アキバに代表されるようなポップカルチャーとすごく相性がいいんですよ」
――機能面ではどうでしょう?
「実はこの製品(Poserフィギュアパック もえたん)の開発には1年以上かかっているのですが、最も特徴的なのがマテリアル(仕上げ調整)の多さです。特にイラスト調のマテリアルは今回初めて実装されたもので、通常版のフォトリアルな仕上がりに比べると、アニメのイメージを再現しやすいのです。例えば、通常版のマテリアルでは光源が少し変わるだけで全体のバランスが崩れてしまったりと、“やってみたけどできませんでした”ということが多かったのですが、イラスト調であればパラメータに関わらず自然な仕上がりになる。つまり、キャラクター作成が手軽にできるわけです。このほかにも、リップシンクといって、入力した音声データにあわせて口が動かす機能は、遊び要素が大きいですね」
――今後も“萌え”要素の強い製品展開をしていくのでしょうか。
「まだ具体的には言えませんが、個人的にはすでに4つのキャラクターを考えていて、順次追加されていく予定です。おかげさまで“もえたん”も好評をいただいておりますし、PoserはShadeとの連携もできるので、こういったパッケージを導入にして3DCGに入っていただけたらと思いますね」
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