パナソニックが「TOUGHBOOK CF-H1」(CF-H1)を開発した背景には、このところ報道されることが多くなった多忙を極める医療現場の問題がある。パナソニックAVCネットワークス社 副社長の伊藤好生氏は、CF-H1が医療現場で利用されることで、人手不足や看護対象者の増加、そして、ペーパーワークなどの管理業務の増加という問題を解決し、業務を効率化することで質の高い看護が提供できると述べる。
パナソニックは、CF-H1の開発過程において、100施設以上の病院でヒアリングを行い、特にNHS(National Health Service:英国の国営医療保険)と2003年から共同開発を行っている。CF-H1は欧州で2008年12月の発売され、米国で2009年1月、日本では2009年3月から出荷される予定になっている。価格はオープンとされているが、パナソニックは実売価格を26万円程度に想定している。(記事掲載当初、共同開発機関に対する名称に誤りがありました。おわびして訂正いたします)
型番 | CF-H1ADBAZJJ | CF-H1ADBAZCJ | CF-H1ADBBZJJ | CF-H1ADBBZCJ |
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OS | Windows Vista Business(SP1) | Windows Vista Business(SP1)、(XP Tabletダウングレードサービス) | Windows Vista Business(SP1) | Windows Vista Business(SP1)、(XP Tabletダウングレードサービス) |
CPU | Atom Z540(動作クロック1.86GHz) | |||
メモリ | 1Gバイト | |||
チップセット | インテルシステムコントローラハブ | |||
HDD | 80Gバイト | |||
液晶ディスプレイ | 10.4型ワイド(最大解像度1024×768ドット) | |||
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠) | |||
Bluetooth | 2.0+EDR/Class1 | |||
インタフェース | クレードルコネクタ、カメラ(有効200万画素)、RF-IFリーダ、非接触スマートカードリーダ、指紋センサー | |||
2次元バーコードリーダ | なし | なし | あり | あり |
セキュリティチップ | TPM1.2 | |||
バッテリー駆動時間 | 約8時間 | |||
サイズ | 264(幅)×268(奥行き)×34〜58(厚さ)ミリ | |||
重さ | 1.5キロ | |||
パナソニックでは、人手不足や経費節減などの要因によって、ヘルスケア市場におけるモバイルPCの年成長率をワールドワイドで22%と予測している。また、インテルが医療現場向けのモバイルPCプラットフォームとして提唱している「MCA」(Mobile Clinical Assistant)に準拠した端末も、2012年には約18万台になるとパナソニックでは予想しているが、その市場でMCAに準拠するTOUGHBOOKの台数目標として10万台という値を示した。
パナソニックが100施設以上の病院でヒアリングした結果、医療現場に特化したモバイルPCに求められる機能として、従来のTOUGHBOOKで実現していた「堅牢性能」「軽量」「ワイヤレス接続」のほかに、「使いやすさ」と「保持しやすい構造」が求められていることが分かった。CF-H1では、使いやすさと保持しやすい構造を実現するため、固定された取っ手を取り入れたボディデザインとボディの背面にパームストラップを導入しているが、そのほかに、多種多様の薬液や体液などがホディに付着しても問題なく動作し続けるだけでなく、簡単にふき取れる材質とデザインのボディを開発したという。
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