「PIXUS」2013年モデル、「いいね!」層に訴求──「スマホ写真プリント需要を掘り起こす」シャア専用モデルも(1/3 ページ)

» 2013年08月27日 19時30分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

PIXUS 2013年モデル スマホ・SNS連携を強化、ガンダムコラボも

 キヤノンは8月27日、2013年年末商戦向けの家庭用インクジェットプリンタ新モデル4機種を発表。2013年9月5日より発売する。

photophoto キヤノン「PIXUS」シリーズ2013年秋冬モデルとCMキャラクターを努める桐谷美玲さん 左からキヤノン取締役インクジェット事業部本部長の大塚尚次本部長、キヤノンマーケティングジャパンの川崎正己社長、キヤノンマーケティングジャパンの佐々木統専務

 今回の新モデルは、昨今のスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)の普及、ネットにデータを保存するクラウドサービスの拡充傾向に応じ、クラウドサービスおよびスマートデバイスと連携する機能をより強化した。スマートデバイス/クラウド・SNS系サービスより直接プリントできる「新PIXUSクラウドリンク」機能の実装を大きな特長とし、スマートデバイス利用者への訴求を行うことで個人プリントニーズのさらなる拡大を図る。

 2013年の国内インクジェットプリンタ市場は517万台規模と想定。2012年比ではやや減る予測だが市場としては堅調で、出荷台数は2007年より500万台規模を維持している。

photophotophoto 国内個人向けプリンタ市場はここ数年500万台規模で堅調に推移しているが、スマートデバイスの普及により“脱PC専用周辺機器”を進めつつ、スマホ「写真」利用者もターゲットに据えた製品戦略をとる計画
photophotophoto PC単体は微減傾向にある中、スマートフォン販売台数は急増、最近はタブレット市場も成長しつつり「ユーザーの仕様機器は多様化」している。ただ、これまでスマートデバイスとプリントのニーズはあまり結び付かなかった

 一方、スマートデバイスやネットワークサービスの普及により、それだけにとどまらない「ユーザー環境の変化」も顕著になっている。こと「写真」においては、撮影機器の多様化とともに1人あたりの撮影枚数も増加。個人写真撮影枚数は同社調べによると1995年比で約2.8倍となる286億ショット(2012年)に達しているが、「プリントする頻度は低い」のが現状。多くは「機器単体で見られればいい」が理由だが、「PCを経由するのが面倒」「いくつもある保存先からプリントするのが面倒」など、プリントするまでの面倒な作業工程から「それならいい」となってしまう層も多くを占める。

 そんなスマートデバイス利用者層のニーズをくみ取り、PC“専用”周辺機器からいわば脱却することで新たなプリンタ利用需要を開拓する──のがPIXUS新モデルの狙いの1つ。キャッチコピーとする『写真に強いプリンター』は、プリンタとしての原点回帰を図りつつ、スマホユーザーも幅広く対象とする「写真プリントニーズ」を改めて掘り起こす意図を込めた。

 これを担う新機能が「PIXUSクラウドリンク」だ。今回の4機種はすべて無線LANプリントに対応するが、このうち最低廉モデル除く3機種(MG7130、MG6530、MG5530)がPIXUSクラウドリンクに対応する。SNS(Twitter、Facebookなど)や写真共有サイト(Picasaなど)、クラウドストレージサービス(Evernote、Dropboxなど)などのネットサービスと連携し、クラウド上の写真や文書を容易にプリントできる機能、スマートフォン・タブレットではスマートフォンアプリ「PIXUS Print」を用い、自宅はもちろん外出先からでもネット経由で自宅プリンタで印刷できる機能を用意した。

photophotophoto スマホプリント=面倒を取り払う新機能が「PIXUSクラウドリンク」。SNS、写真共有サイト、クラウドストレージの各種サービスと連携し、クラウド上にあるデータもシームレスにプリントできるネットワークサービス基盤を新たに構築した
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