キヤノンは8月27日、2013年年末商戦向けの家庭用インクジェットプリンタ新モデル4機種を発表。2013年9月5日より発売する。
今回の新モデルは、昨今のスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)の普及、ネットにデータを保存するクラウドサービスの拡充傾向に応じ、クラウドサービスおよびスマートデバイスと連携する機能をより強化した。スマートデバイス/クラウド・SNS系サービスより直接プリントできる「新PIXUSクラウドリンク」機能の実装を大きな特長とし、スマートデバイス利用者への訴求を行うことで個人プリントニーズのさらなる拡大を図る。
2013年の国内インクジェットプリンタ市場は517万台規模と想定。2012年比ではやや減る予測だが市場としては堅調で、出荷台数は2007年より500万台規模を維持している。
一方、スマートデバイスやネットワークサービスの普及により、それだけにとどまらない「ユーザー環境の変化」も顕著になっている。こと「写真」においては、撮影機器の多様化とともに1人あたりの撮影枚数も増加。個人写真撮影枚数は同社調べによると1995年比で約2.8倍となる286億ショット(2012年)に達しているが、「プリントする頻度は低い」のが現状。多くは「機器単体で見られればいい」が理由だが、「PCを経由するのが面倒」「いくつもある保存先からプリントするのが面倒」など、プリントするまでの面倒な作業工程から「それならいい」となってしまう層も多くを占める。
そんなスマートデバイス利用者層のニーズをくみ取り、PC“専用”周辺機器からいわば脱却することで新たなプリンタ利用需要を開拓する──のがPIXUS新モデルの狙いの1つ。キャッチコピーとする『写真に強いプリンター』は、プリンタとしての原点回帰を図りつつ、スマホユーザーも幅広く対象とする「写真プリントニーズ」を改めて掘り起こす意図を込めた。
これを担う新機能が「PIXUSクラウドリンク」だ。今回の4機種はすべて無線LANプリントに対応するが、このうち最低廉モデル除く3機種(MG7130、MG6530、MG5530)がPIXUSクラウドリンクに対応する。SNS(Twitter、Facebookなど)や写真共有サイト(Picasaなど)、クラウドストレージサービス(Evernote、Dropboxなど)などのネットサービスと連携し、クラウド上の写真や文書を容易にプリントできる機能、スマートフォン・タブレットではスマートフォンアプリ「PIXUS Print」を用い、自宅はもちろん外出先からでもネット経由で自宅プリンタで印刷できる機能を用意した。
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