富士通「伊達モデル」はダテじゃない!――デスクトップPC累計2000万台出荷の工場を見てきた:ゴールドに光る記念モデルもお披露目(3/4 ページ)

» 2015年02月23日 19時30分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

デスクトップPC工場はまさに機能美

 福島工場のE棟2階では、「伊達モデル」と呼ばれる個人向けデスクトップPC、およびIAサーバーが生産される。生産ラインのAからKまで実に計11のラインが並ぶ。個人向けデスクトップPCは通常AからFまでの計6ラインを使い、うち液晶一体型PCがAとBの2ラインで生産されていた。

 生産工程は7つのステップに分けられる。一直線上に、すべての工程が行われているのが福島工場の特徴だ。

  1. 受入検査
  2. キッティング
  3. 装置組立
  4. 基礎試験
  5. 高負荷試験
  6. 梱包(こんぽう)
  7. 出荷

 福島工場のデスクトップPC生産ラインを見て感じたことは、まず作業者の身だしなみがキチンとしていること。静電靴、制電作業着の着こなしはもちろんのこと、髪の毛が混入しないような帽子を、しっかりと着用していた。見学者も全員、この帽子の着用を促された。食品工場のような気配りは、すべてにおいて徹底している。

 生産ラインでの工夫も素晴しい。一直線に並んだラインは、まさに機能美だ。無駄な部材はなく、各作業の標準化、2段パレットの採用、ライン全体に分散させたピッキング、ライン内でのHDDインストール、梱包作業のコンベアライン化といったアイデアの実現は際限がない。

 また、工場のレイアウトで注目すべきは、サーバとPCの生産ラインを同一フロアに配置し、混流ラインを構築していることだ。フレキシブルな生産体制の構築は、物流費用や間接費用の削減効果があったという。2015年7月、Windows Server 2003のサポート終了に合わせたPCサーバの需要増もこれから見込まれる。フレキシブルな生産体制のシフトは、大いに役立つに違いない。

 それでは、生産ラインを写真で順に見ていこう。

PCごとの構成情報を表示。計画生産、BTO受注生産にそれぞれ対応する
組み立てるPCの構成ごとに必要な部材を取りに行く
ピッキングは組み立て工程全体に分散されている
ライン先頭の様子。カスタマイズオーダーごとに、必要な部品は視覚的に判断できるよう、トレイ部の「青ランプ」が点灯する。いわゆるデジタルピッキング方式だ。部品のピッキングが組み立てライン全体に分散しているので、端数人工が解消されているのが分かる
ラインはベルトコンベアで流れる。上面と中段の2段パレットを採用。効率がよさそうだ。ラインのスピードは出荷台数に比例して決まるという。見学時には、Bのラインで、法人向けの液晶一体型モデル「FMV ESPRIMO K555/K」が日産440台生産されていた
作業者は、右手、左手ごとに作業手順がすべてマニュアルで決まっている。標準作業化によって、作業者によるバラツキが減り、歩留まりの解消に役立っているようだ
黄色い行燈(パトランプ)が点灯すると、ラインのリーダーが駆けつけて応援作業に入る。作業者の遅れが発生すると自動的に点灯する。不良などが発生したことを視覚的に分かるようにしたものだ
奥のPCが通電しているのが分かる。通電ラインを約10メートルほど設けて基礎試験を実施している。基礎試験は、機能保証をすることが目的だ。ライン上で試験用ヘッドプログラムを自動的に走らせ、OK/NGの簡単な判断をする
高負荷試験の様子。ランニング棚で行われる試験は、いったんラインから外れる。さまざまなデータによる負荷を与えているようだ
高負荷試験にパスすると、梱包作業に入る。デジタルピッキングシステムによって、マニュアルや注意書きなどの付属品も漏れなく同梱(どうこん)される
梱包の様子。梱包作業のコンベアライン化がなされている
木製パレットに積み上げられていく。今後、木製パレットはPCリサイクル材で代用すれば、よりリサイクル率が上がるだろう

 最後に、工場の一角にパーティションで区切られたセキュリティエリアで、「FMVカスタムメイドプラス」というインストレーションサービスも行っていたことを付け加えたい。マスタ開発やBIOS設定、独自ラベルの作成、貼り付けなど、企業からのPC一括導入を支援するサービスメニューだ。IT管理者は、工場出荷時にハードウェアのカスタマイズだけでなく、導入フェーズまですべて富士通に任せることができる。

「FMVカスタムメイドプラス」サービズの作業エリア。情報管理のため、関係者以外は入れないよう施錠されている

 まさに、2000万台出荷、富士通「伊達モデル」は“ダテ”ではなかった。


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