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第5世代Core i7にWindows 7を合わせた“通好み”モバイルノートの実力は?――「dynabook R63/PS」徹底検証(後編)性能、スタミナ、騒音、発熱をテスト(1/3 ページ)

» 2015年03月19日 13時30分 公開

←・第5世代Core+デュアルポインタ+Windows 7の“質実剛健”モバイルノート――「dynabook R63/PS」徹底検証(前編)

ココが「○」
・薄型・堅牢・スタミナの良バランス
・第5世代Core i7など高性能な仕上がり
・ビジネスに即戦力のWindows 7採用
ココが「×」
・Windows 8やタッチパネルは選択不可
・サウンドなどエンタメ要素は控えめ

レビュー後編は各種テストでその実力を明らかにする

 東芝の直販サイト「東芝ダイレクト」では、店頭で見かけることのないWebオリジナルモデルのPCを販売していることをご存じだろうか? 店頭モデルに比べて、よりハイスペックな構成を選べたり、オフィススイートを省くことで価格を抑えられるなど、PC中上級者のニーズに応えているのが見逃せない。この「dynabook R63/PS」も、そんな直販限定の13.3型モバイルノートPCだ。

東芝ダイレクトが取り扱うWebオリジナルモデルの13.3型モバイルノートPC「dynabook R63/PS」。CPUに第5世代Core i7を採用し、スティックとタッチパッドのデュアルポインティングデバイスを備え、OSはWindows 8.1ではなくWindows 7 Professionalをプリインストールするなどビジネス向け、あるいは“通好み”の製品だ。直販価格は税別17万1000円から(無料の会員登録で値引きあり)

 先に掲載したレビュー前編では、dynabook R63/PSのボディ、液晶ディスプレイと入力環境、基本スペック、インタフェースを順にチェックした。今回の後編では、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の騒音や発熱をテストし、モバイルPCとしての完成度を明らかにしていく。

第5世代Core i7+SSDで高いパフォーマンスを発揮

 それでは各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。評価機のスペックは、2コア/4スレッド対応のCore i7-5500U(2.4GHz/最大3.0GHz)、8Gバイトメモリ(DDR3L-1600、シングルチャンネル)、256GバイトmSATA SSD(Serial ATA 6Gbps接続)、CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500、64ビット版のWindows 7 Professional(64ビット版Winodws 8.1 Pro Updateのダウングレード権による)といった構成だ。全体的にかなりハイスペック寄りのモバイルPCに仕上がっている。

 最初は、CPU性能を評価するCINEBENCHから。CINEBENCH R11.5のCPU(マルチスレッド対応)スコアは「3.26pts」、シングルコアのスコアは「1.42pts」だ。これは店頭モデルのモバイルノートPCに採用例が多いCore i5-5200(2.2GHz/最大2.7GHz)と比較して、CPUスコアが14%程度高いことを意味する。さすがは第5世代のCore i7と言える結果だ。CINEBENCH R15では、OpenGLが「25.43fps」、CPUが「296cb」と妥当なスコアだった。

CINEBENCH R11.5のスコア
CINEBENCH R15のスコア

 ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、Serial ATA 6Gbps接続のmSATA SSDとして高いパフォーマンスと言える。特に体感速度に影響するランダムアクセスが高速で、書き込みスピードも速いのは何かと使い勝手がよい。一部の製品に見られるPCI Express接続の高速SSDにはかなわないが、現状のモバイルPCが搭載するSSDとしては高速な部類だ。なお、評価機のmSATA SSDは東芝製の「THNSNJ256GMCU」だった。

CrystalDiskMark 3.0.3のスコア

 システム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは「4498」、System storageのスコアは「5548」と、スペックから予想される範囲内の順当なスコアだ。実際、Windows 7の操作感は実に軽快で、サクサクと作業をこなせる。

PCMark 7 1.4.0のスコア

 3D描画性能を評価する3DMarkも実行した。スコアはCPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500を採用している製品としては若干低めだ。メインメモリが容量8Gバイトとはいえ、シングルチャンネルであることが多少影響しているのかもしれない。

3DMark 1.2.362のスコア

 dynabook R63/PSはビジネス寄りの仕様なので、ゲーム用途はあまり考えられないが、いつもの通り、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編(FF14ベンチ)も実行してみた。

 FF14ベンチでは、フルHD(1920×1080)/フルスクリーン/標準品質(ノートPC)の設定で「設定変更が必要」という結果だったが、1280×720/ウィンドウモード/標準品質(ノートPC)の設定に変更すると「やや快適」まで改善される。

FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編のスコア(1280×720/ウィンドウモード/標準品質 ノートPC)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編のスコア(1920×1080/フルスクリーンモード/標準品質 ノートPC)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編のスコア(1280×720/ウィンドウモード/高品質 ノートPC)
FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編のスコア(1920×1080/フルスクリーンモード/高品質 ノートPC)

 ちなみにdynabook R63/PSはWindows 7搭載機なので、Windows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスも確認したところ、プライマリハードディスクで「7.9」、プロセッサとメモリで「7.2」、ゲーム用グラフィックスで「5.5」、最も低かったグラフィックスでも「5.3」を獲得していた。

 CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500がややバランスを欠いた格好となっているが、全体的には高いレベルでまとまっており、前述した軽快なWindows 7の操作感を裏付ける結果だ。dynabook R63/PSは主に文書作成などビジネスユースでの生産性アップを想定した機種なので、その点において満足できる性能と言える。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

ベンチマークテストの概要(1)

  • パフォーマンステスト
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)
    • Windowsエクスペリエンスインデックス(PC総合評価/OS標準機能)

 ※Windows 7の電源プランは初期設定


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