←・第5世代Core+デュアルポインタ+Windows 7の“質実剛健”モバイルノート――「dynabook R63/PS」徹底検証(前編)
ココが「○」 |
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・薄型・堅牢・スタミナの良バランス |
・第5世代Core i7など高性能な仕上がり |
・ビジネスに即戦力のWindows 7採用 |
ココが「×」 |
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・Windows 8やタッチパネルは選択不可 |
・サウンドなどエンタメ要素は控えめ |
東芝の直販サイト「東芝ダイレクト」では、店頭で見かけることのないWebオリジナルモデルのPCを販売していることをご存じだろうか? 店頭モデルに比べて、よりハイスペックな構成を選べたり、オフィススイートを省くことで価格を抑えられるなど、PC中上級者のニーズに応えているのが見逃せない。この「dynabook R63/PS」も、そんな直販限定の13.3型モバイルノートPCだ。
先に掲載したレビュー前編では、dynabook R63/PSのボディ、液晶ディスプレイと入力環境、基本スペック、インタフェースを順にチェックした。今回の後編では、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の騒音や発熱をテストし、モバイルPCとしての完成度を明らかにしていく。
それでは各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。評価機のスペックは、2コア/4スレッド対応のCore i7-5500U(2.4GHz/最大3.0GHz)、8Gバイトメモリ(DDR3L-1600、シングルチャンネル)、256GバイトmSATA SSD(Serial ATA 6Gbps接続)、CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500、64ビット版のWindows 7 Professional(64ビット版Winodws 8.1 Pro Updateのダウングレード権による)といった構成だ。全体的にかなりハイスペック寄りのモバイルPCに仕上がっている。
最初は、CPU性能を評価するCINEBENCHから。CINEBENCH R11.5のCPU(マルチスレッド対応)スコアは「3.26pts」、シングルコアのスコアは「1.42pts」だ。これは店頭モデルのモバイルノートPCに採用例が多いCore i5-5200(2.2GHz/最大2.7GHz)と比較して、CPUスコアが14%程度高いことを意味する。さすがは第5世代のCore i7と言える結果だ。CINEBENCH R15では、OpenGLが「25.43fps」、CPUが「296cb」と妥当なスコアだった。
ストレージ性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、Serial ATA 6Gbps接続のmSATA SSDとして高いパフォーマンスと言える。特に体感速度に影響するランダムアクセスが高速で、書き込みスピードも速いのは何かと使い勝手がよい。一部の製品に見られるPCI Express接続の高速SSDにはかなわないが、現状のモバイルPCが搭載するSSDとしては高速な部類だ。なお、評価機のmSATA SSDは東芝製の「THNSNJ256GMCU」だった。
システム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは「4498」、System storageのスコアは「5548」と、スペックから予想される範囲内の順当なスコアだ。実際、Windows 7の操作感は実に軽快で、サクサクと作業をこなせる。
3D描画性能を評価する3DMarkも実行した。スコアはCPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500を採用している製品としては若干低めだ。メインメモリが容量8Gバイトとはいえ、シングルチャンネルであることが多少影響しているのかもしれない。
dynabook R63/PSはビジネス寄りの仕様なので、ゲーム用途はあまり考えられないが、いつもの通り、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマークキャラクター編(FF14ベンチ)も実行してみた。
FF14ベンチでは、フルHD(1920×1080)/フルスクリーン/標準品質(ノートPC)の設定で「設定変更が必要」という結果だったが、1280×720/ウィンドウモード/標準品質(ノートPC)の設定に変更すると「やや快適」まで改善される。
ちなみにdynabook R63/PSはWindows 7搭載機なので、Windows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスも確認したところ、プライマリハードディスクで「7.9」、プロセッサとメモリで「7.2」、ゲーム用グラフィックスで「5.5」、最も低かったグラフィックスでも「5.3」を獲得していた。
CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500がややバランスを欠いた格好となっているが、全体的には高いレベルでまとまっており、前述した軽快なWindows 7の操作感を裏付ける結果だ。dynabook R63/PSは主に文書作成などビジネスユースでの生産性アップを想定した機種なので、その点において満足できる性能と言える。
※Windows 7の電源プランは初期設定
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