プチコン3号が発売されてからもうすぐ1年になる。バージョンも執筆時点ですでに3.2.1となり、JIS第1水準漢字フォントやスプライトの加算合成など、いくつもの機能が追加された。また、2015年7月にはプチコン大喜利の受賞作、ノミネート作品などを収録した「プチコンマガジン」創刊号が発刊されている。
プチコンマガジンはプチコン本体がなくても収録作品を楽しむことができるが、それ以上にユーザーにとっては「自分がプチコンで作った作品が販売される」という夢をかなえるものでもある。
発売から日が経っても熱の冷めないプチコン3号だが、その熱気に応えるように先日、プチコンファンミーティングが開催された。今回はそのリポートをお送りする。
2015年10月17日、東京堂書店東京堂ホール。60名以上のファンやメディアが今か今かと待つ中、ほぼ定刻通りにハカセに扮したスマイルブーム小林社長が登場。ハカセ開発元のスマイルブームからは以下の新情報が公開された。
1、海外版「プチコン3号」SmileBASICリリース
ファンミーティング2日前の10月15日に米国、カナダ、メキシコで海外版プチコン3号「SmileBASIC」の配信が開始されたことが報告された。海外版はプチコン3号と完全互換、プログラム公開用のサーバも共通だ。日本発のプチコンプログラムを海外の人が楽しむことも、その逆も可能になった。
2、「SOLIDGUNNER」ソースコード公開
「プチコンマガジン 創刊号」に掲載された縦スクロールシューティングゲーム「SOLIDGUNNER」。プチコン3号のポテンシャルが高いとはいえ、超絶プログラミングテクニックに度肝を抜かれた人も多かったはず。
今回、そのプログラム、グラフィックや音楽まですべてが無償公開された。もちろん、BASICなのでソースコードを修正し、即実行させることも簡単だ。無敵化や自機数を増やすといった改造、プログラミングテクニックの勉強、素材の利用など、楽しみ方は幅広い。
3、第4回大喜利コンテスト開催
海外配信を記念し、第4回大喜利コンテストが開催される。初の全世界参加ということで、今回のテーマは「ニンジャ」。締め切りは2016年1月3日だ。国際色豊かな大喜利となりそうだ。
4、バンダイナムコエンターテインメント「カタログIPオープン化プロジェクト」コラボ
バンダイナムコエンターテインメントの「カタログIPオープン化プロジェクト」とのコラボが実現。ゼビウスやパックマンなど、17種類のタイトルのIPが利用可能になる。これらはDLC素材として提供され、1タイトルあたり100〜200円程度になる見込みだ。
なお、このDLC素材を使用して作成したプログラムを公開することは可能だが、ダウンロードして利用する側もDLC素材を入手しておかないと実行できないので注意してほしい。
5、高度サウンドユニット
FFT/IFFT、BiQUADなど信号処理関連の追加命令が有償オプションとしてリリースされる。音声信号の変換/解析、エフェクトといった用途のほか、サッポロやカンサスといった地名に反応する人たちにはいろいろと使い途のある追加命令かもしれない。
6、Wii U版「プチコンBIG」発売決定
Wii U版のプチコン、「プチコンBIG」の発売予定が正式に発表。会場ではプレイアブルデモが公開された。まだチューニングを行っていない状態ですでにプチコン3号の3倍の速度が出ている。
さらにフリーメモリ67メガバイト強(プチコン3号は8メガバイト強)、640×480や800×480の高解像度(フルHDは非対応)、そしてなによりUSBキーボードを使っての文字入力が可能になる。
「プチコンBIG」は「プチコン3号」の上位互換となっており、自宅ではプチコンBIGで、電車の中ではプチコン3号で開発することができる。通信機能は削除されているが、代わりに複数のWiiリモコン入力に対応。多人数で遊ぶ場合のDSとWiiUのスタイルの違いがそのまま現れた形だ。
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