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» 2018年01月29日 16時24分 公開

モバイルの枠を超えるパワー! 「Surface Book 2」完全レビュー(2/3 ページ)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

第8世代Core採用でパフォーマンスを大幅にパワーアップ

 基本スペックは、Core i7モデルとCore i5モデルでは大きく異なる。Core i7モデルは、CPUに最新の第8世代Coreを採用するとともに、キーボード部にNVIDIAのGeForce GTX 1050(2GB)を搭載している(CPU内蔵のIntel UHD Graphics 620と併用)。

 第8世代Coreは、開発コード名「Kaby Lake R」で知られ、TDP15Wと従来のモバイル向けCPUと同じTDPでありながらクアッドコアになり、先代に比べて大幅にパフォーマンスアップしている。

CPUはCore i7-8650Uを採用する。TDP 15Wのモバイル向けCPUながらクアッドコアとなり、大幅に性能が向上した

 一方、Core i5モデルはCPUが第7世代のCore i5-7300Uを採用しており、GPUもCPU内蔵のIntel HD Graphics 620のみが使われる。Core i7モデルとCore i5モデルの性能差が大きいことは注意しておきたい。

 今回の評価機は、Core i7搭載の最上位モデルで、メモリは1866MHzのLPDDR3、ストレージは1TBのPCI Express SSDというハイスペックとなっている。デバイスマネージャーでは、SSDの型番は「SAMSUNG MZFLW1T0HMLH-000MU」と表示されている。Samsungが公式に発表済みの製品にはこの型番に該当するものはなく、未発表製品のようだ(原稿執筆時点)。ベンチマークテストの結果を見ると、読み出しは超高速ながら書き込みのスコアは同社製品としては低めで、TLC採用モデルと思われる。

CrystalDiskMark 6.0.0の結果

外部GPUにNVIDIA GeForce GTX 1050を搭載

 Core i7モデルは外部GPUとしてNVIDIA GeForce GTX 1050を搭載する。厳密にいえば、CPU内蔵のIntel UHD Graphics 620とのハイブリッドとなっており、性能に優れる外部GPUと省電力な内蔵GPUをアプリケーションごとに自動で切り替えて使われる。このアプリごとの設定は、NVIDIAコントロールパネルで手動で設定することも可能だ。

 GeForce GTX 1050は、現行のGeForce GTX 1000シリーズの中では下位のモデルだが、標準的な3DゲームやVRコンテンツを楽しめる3D描画性能を備える。上位のモデルよりも省電力で発熱も低いため、大出力のACアダプターが必要になることもなく、こうした薄型ノートPC向けとしてはバランスの良いチョイスだ。

 Adobe Photoshopなどクリエイティブアプリケーションでも効果的なGPUアクセラレーションが利用できる点も大きい。IntelやAMDのGPUでもこうしたアクセラレーションは利用できるが、現時点では、ドライバの安定性、互換性の実績でNVIDIAが先んじており、NVIDIA GPUの搭載を条件に上げるクリエイターは少なくない。クアッドコアCPUに加えてNVIDIA GeForce GTX 1050搭載という点は、クリエイターへの訴求ポイントとして大きいだろう。

GeForce GTX 1050(2GB)を搭載。バスインタフェースは「PCI Express 3.0 x4」となっている

画面部分を切り離して運用できる自由度の高さ

 13.5型ワイドサイズの液晶ディスプレイの表示解像度は3000×2000ピクセルに対応する。画素密度は267ppi、コントラスト1600:1というスペックが公開されている。

13.5型ワイドサイズの液晶ディスプレイの表示解像度は3000×2000ピクセルに対応する。1600:1とコントラスト比も高くメリハリのきいた高精細な表示だ

 エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」で計測したところ、輝度は372cd/m2で、色域はsRGB面積比100.8%(カバー率96.9%)、コントラスト比1709:1といずれも良好な値。目視でも明るく鮮やかな表示が印象的だ。この美しい液晶ディスプレイはSurface Book 2の大きな訴求ポイントの1つだろう。

i1 Display Proの計測値から作成したICCプロファイルを色度図作成ソフト「Color AC」に読み込んで色域を表示させた。点線がsRGB、実線がSurface Book 2の色域でsRGBをほぼ100%カバーしている(画面=左)。i1 Display Proのキャリブレーションカーブ。RGB各色の線がきれいに45°の直線になっており、標準状態でsRGBコンテンツを適切に表示できることが分かる(画面=右)

 この液晶ディスプレイは、10点マルチタッチ対応のタッチ操作、そしてオプションのSurfaceペンでの描画にも対応しており、従来同様、画面部分だけを切り離してタブレットとして使うことができる。外部GPUのNVIDIA GeForce GTX 1050はキーボード部に内蔵されているため、切り離した状態ではCPU内蔵GPUのみが使われる。

画面だけ取り外して利用可能

 通常は物理的にロックされていて単に引っ張るだけでは外れない。キーボードにある専用のボタンを押すか、タスクバーに常駐する専用アイコンをクリックすると、しばらくして「ガコッ」とロックが外れる音がして、取り外しが可能になったことを知らせるメッセージが表示され、外すことができるようになる。画面は180°回転して装着することも可能で、閉じた状態では画面に傾斜がつき、ペンで描画するのに適している。

キーボード最上段の取り外しボタンか、タスクバーのアイコンをクリックするとロックが外れる

 オーディオ端子以外の端子はすべてキーボード部にあるほか、バッテリー容量もキーボード部分が53Whに対し、画面部分は18Wh(いずれもバッテリーレポートのデザイン容量で確認)と少なく、長時間の運用は想定されていない。従来同様、タブレットとしての運用はあくまでもサブという位置づけだ。

 こうして画面を着脱し、180°回転させるスタイルは、上司や取引先に進捗を報告する際、あるいはプレゼンテーションの際など、複数人で画面の内容を共有したい場合に便利だ。サッとタブレットだけ取り出して、写真や動画などの作品を知人や友人などに見せたい場面はプライベートでもあるだろう。完全にタブレットの代わりとはならないだろうが、活用の幅を広げるギミックではある。

ハイパフォーマンスノートでありながら幅広いスタイルで活用できる自由度の高い設計も魅力の1つだ

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