NVIDIAが新アーキテクチャの「GeForce RTX」シリーズを発表 価格は499ドルから

» 2018年08月21日 13時03分 公開
[塩田紳二ITmedia]

 米NVIDIAは、8月20日(現地時間)、ドイツケルン市で新アーキテクチャである「Turing」を採用した「GeForce RTX」シリーズを発表した。GeForce RTXシリーズのラインアップは、GeForce RTX 2080 Ti、同2080、同2070の3モデル。

ドイツケルン市でGeForce RTX 2080シリーズの発表を行ったNVIDIA創業者のジェンスン・ファン氏
GeForce RTX 2080 Ti
今回発表されたRTX 20シリーズは3モデル

 Turingアーキテクチャは、ハードウェアによる高速なレイトレーシング演算が可能なRT Coreを搭載しているのが最大の特徴。NVIDIAは、「2006年のCUDA Core以来、最も大きな変化」とする。

従来のStreaming Multiprocessors(SM)、レイトレーシングを計算するRT Core、そしてVOLTAアーキテクチャで搭載されたAI計算に向いたTensor Coreから構成される

 今回発表されたGeForce RTX 2080 Tiでは、最大10ギガレイ/秒の性能を持つ。これは、1秒間に10の9乗本の光線を処理できるという意味だ。レイトレーシング演算での比較では、DGX-1に搭載されている4つのVoltaに演算させると55msかかっていたものが、Turing GPUは1つで45msで行うことができるという。

レイトレーシングを使ったグラフィックス処理では、4つのVolta GPUで55msかかっていた処理をTuring GPU単体では45msで終わらせる

 また、従来のVoltaアーキテクチャでは、浮動小数点演算と整数演算が並行して動作できなかったSM(Streaming Multiprocessors。NVIDIAのGPUではSMと呼ばれる演算ユニットが複数あり、これを使って、走査線ごとにピクセル処理を行う)を改良し、浮動小数点演算と整数演算を並列して処理できるようにした。

Turingアーキテクチャでは浮動小数点演算(図のオレンジの部分)と整数演算((図の青い部分)を並列処理できる

 これまで、PCゲームなど高速な描画を必要とする3次元グラフィックスでは、物体表面の反射や映り込みといった処理は、物体の表面に貼り付ける「テクスチャー」と呼ばれる画像データを加工することで行われていた。

 例えば、金属表面のような表現では周囲の画像を処理して表面に貼り付けることで「映り込み」などを表現する。いわば、「それらしく見える画像」を作っていたわけだ。この手法を採用することで、リアルタイムに映像を生成して表示させることが可能になる。

 これに対して、映画などで使われるCGは、映像を構成するフレームごとに、画像の各ピクセルに到達する光の通り道を計算して物体表面がどう見えるかを計算する「レイトレーシング」と呼ばれる手法が使われ、よりリアルな表現を可能にしていた。

 ただし光は、物体の表面で反射して散乱したり、透明な物質を出入りするときに屈折したりするなど計算が複雑になることから汎用CPUを使った処理が行われており、1枚のフレームを作成するのに長い時間が必要で、リアルタイムにフレームを計算しつつ、映像を表示することは難しかった(こうしたグラフィックスをオフライン・グラフィックスと呼ぶ)。

 NVIDIAのTuringアーキテクチャでは、このレイトレーシング計算をハードウェアで行うためのRT Coreと呼ばれる演算ユニットを持つ。これは、光線の通り道の計算をハードウェアで行うものだ。これにより、PCゲームなどでも、レイトレーシングを使ったリアルな映像をリアルタイムで生成することが可能になった。

 なお、NVIDIAでは、同GPUに対して、複数のゲームタイトルがレイトレーシングを使ったゲームを開発中であることもあきらかにした。

リアルタイムレイトレーシングで描画する「Battlefield V」。水面の映り込みが細かく、リアルな表現が可能になった

 GeForce RTX 2080シリーズは9月20日に出荷が開始される予定。実売予想価格は、RTX 2080 Tiが999ドル、RTX 2080が699ドル、RTX 2070が499ドルだ。

ラインアップと価格
発表会場に展示されていたGeForce RTX 2080 Ti

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