不具合品の交換用にメーカーがキープしている「ウラ在庫」とは?牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

» 2020年12月28日 11時00分 公開
[牧ノブユキITmedia]
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あえて「不具合のある新品」を交換用に出荷する狙い

 もう一つ起こりうる問題点は、こうした不具合の交換を繰り返しているうちに、良品在庫そのものが完全に底をつき、出荷できる製品がなくなってしまうケースだ。

 特に、海外から輸入していてリードタイムが長い製品(大抵はそうだが)の場合、こうしたトラブルは容易に起こりうる。またロット不良が発生し、市場にある在庫および倉庫在庫の全てが一夜にして不良品に化けた場合にも、同様の状態になる。

 こうした場合、不具合品であることが分かっている在庫を、あえて交換品として出荷する場合がある。一見するとその場しのぎのようだが、不具合品にもいろいろあって、使い始めてすぐに発覚するものもあれば、何カ月もたって初めて不具合の存在が分かるという、時限爆弾のようなケースもある。

 後者の場合、取りあえず交換して火の手が上がるのを防いでしまえば、対策品が入荷してくるまでに時間を稼げる。つまりもう何カ月か後に再び交換が発生することを知った上で、良品を装ってユーザーに出荷するわけである。

 ユーザーはそうとは知らず、「しばらく使い込んで壊れた品を新品に交換してもらった」と、喜んで使い続けることになる。もし不具合が再び露見するよりも前に、ユーザーがその製品を手放してしまえば、そのまま闇へと葬り去られてしまうというわけだ。

ヤバいと感じたら早急に手放すべき?

 以上のようなケースは、メーカーや製品によって差はあれど、一定の確率で発生している。ではユーザーの側としてはどうすればよいかというと、ネットに上がっている情報を参考に「これはヤバい」と感じた場合、早急に手放すのが得策だ。

 あるいは、不具合品を交換するにしても同一製品とではなく、販売店経由で別の製品に交換してもらう交渉を持ちかける手もある。別製品となると、同じ不具合が起こる確率は低いからだ。上位モデルへの交換で差額が発生する場合、メーカーのサポート窓口では対処できないので、うまく販売店を巻き込んで話をするのがコツといえる。

 この業界、不具合品が一定確率で発生するのは仕方がないが、いざ引いてしまったときにサンクコストとして処理できるかは、ユーザーの経験値が問われる。「このメーカーの製品はダメだ」と決めつけて別メーカーの製品を使い始めたらそこもまた問題があり、舞い戻ってこざるを得ないのはよくある話。うまい付き合いを心掛けたいものだ。

著者:牧ノブユキ(Nobuyuki Maki)

IT機器メーカー、販売店勤務を経てコンサルへ。Googleトレンドを眺めていると1日が終わるのがもっぱらの悩み。無類のチョコミント好き。HPはこちら


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