タイパの対極にある魅力? 潔いオールインワン・レコードプレーヤー「amadana PR30」とクラフトビールの意外な共通点(3/3 ページ)

» 2026年06月28日 12時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]
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試して分かった、デジタル全盛時代に「レコードを聞く」ということ

 実際にPR30を部屋に置き、レコードを再生してみた。

 無駄を削ぎ落としたシックなデザインは、どんなインテリアにもなじみやすいし、木製キャビネットに内蔵された4基のスピーカーからは、格安製品のチープさとは一線を画したサウンドが流れてくる。

10インチや12インチのレコードだけでなく、標準で7インチ用のアダプターが付属している

 何よりのメリットは、「レコードを聞く」という体験を、機材選びの煩わしさなしにスッと始められる点だ。電源を入れ、お気に入りのレコード盤をプラッターに置き、そっと針を落とす。内蔵の4スピーカーと木製ボディーが奏でるサウンドは、デジタルにはないニュアンスで空間を包み込んでくれる。

 とはいえ、ピュアオーディオ的なサウンドを期待するのは酷だ。サウンドはやや腰高感があり、もっと低音や高音がほしいと思っても、PR30側でできることはカートリッジの換装ぐらいしかない(または別途アンプに接続する手もある)。

 その分、レコード再生に必要な儀式(レコードの清掃、片面再生が終わったら盤をひっくり返す)は存分に味わえるし、ダイヤルの操作感や本体の重厚感はきちんとある。

AUX入力にカセットテーププレイヤーをつないでサウンドを楽しむこともできる。ひそかにポータブルカセットテーププレイヤーの選択肢も増えているので、気になる人は探してみるといいだろう。ちなみに、AUX入力にケーブルを接続すると入力元が自動的に切り替わる

 デジタル全盛の時代だからこそ、音楽をBGMとしてただ消費するのではなく、このPR30のようなプロダクトを通じて“音と時間に向き合う”ことのぜいたくさを改めて感じることができる。手軽に、しかし本格的にアナログレコードの世界に足を踏み入れたい人に「こんな選択肢もあるよ」と知らせたい1台である。

 そして、それはクラフトビールである六甲ビールにも共通する“推し”ポイントと言えそうだ。

試しにロックやポップス、EDMなどを流したが、近年はやりのシティポップだけでなく、ゲーム音楽や現代音楽、アンビエントなどとの相性が良さそうだ

amadanaブランドの歴史と復活――Acerグループ入りでの新たな歩み

 ここで、amadanaというブランドの歩みを少し振り返っておきたい。「新しい生活文化をデザインする」をミッションに掲げるamadanaは、日本独自の美意識に基づくミニマルデザインと機能美で知られるライフスタイルブランドだ。

 同社は2024年7月、台湾AcerグループのAOPENから資本を受け入れ、正式にAcerグループの傘下に入った。この体制変更は、世界70カ国に拠点を持つAcerグループのネットワークを生かし、日本発のプロダクトブランドであるamadanaのグローバル展開を一気に加速させる狙いがある。また、Acerグループの幅広い技術力や供給力と、amadanaのクリエイティブ開発機能を融合(シナジー)させ、新たな価値をもたらすことも大きな戦略の柱となっている。

 実際、新生amadanaブランド始動の第1弾として、2025年末から2026年にかけては、インテリアになじむホワイトボディーなどを採用したPC用ディスプレイ(「DP10」「DS10」「DS20」など)を次々とリリースし、大きな話題を呼んだ。そして今回、PC周辺機器からライフスタイル・オーディオへと領域を広げ、新たな成長フェーズの象徴として市場に投入されたのが「PR30」やCDプレーヤー「AM-PCD-201-S」である。

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