WindowsでもローカルLLMが快適に? 開発中ビルドで見つかった「AI向けメモリ割り当て機能」の正体:Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2026年08月31日 06時00分 公開
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今回の動きは高性能PCの市場に新たな需要を生むか?

 Unified Memoryは、SoCのパッケージングの際にDRAMチップを封入(もしくはスタッキング)する関係上、メモリの追加拡張が難しい。一方でCPUやGPUに限りなく近い位置にメインメモリが配置されるため、バスの帯域幅は非常に大きくなる。

 PCが電力を消費する要因はプロセッサやディスプレイなどさまざまあるが、実はメモリアクセスのためにシステムバスを通過する際に発生する電力ロスもばかにならず、Unified Memoryはこの問題を解決する一助にもなる。

 また、昨今のCPUやGPUを含むSoCは主にAI利用をターゲットに改良が進められてきた経緯がある。トークン化のための機能拡張(スカラーユニットの強化)を行ったり、今回話題になったM6/M5 ProのようにGPUの各コアにNeural Acceleratorを搭載して推論処理を強化したり、M6ではデュアル化したNeural Engineの搭載で積和演算による行列(Tensor)の並行処理が強化されていたりと、その方向性が明確だ。

 加えて、Unified Memoryの帯域強化がApple Siliconの世代が上がるごとに顕著になっており、明らかにAI用途を意識している。

最大4台のクラスタリング動作にも対応するM5 Ultraチップ 最大4台のクラスタリング動作にも対応するM5 Ultraチップ

 興味深いのは、今回の隠しオプションに見られるようにMicrosoftもWindowsにおいて同様の方向性を志向し始めたのが判明したことだ。これを受けて、プロセッサを供給するメーカー側もこの用途を意識した製品を出しつつ、PCメーカーもこの需要に応えるべく「Mac mini/Studio」フォロワーと呼べるような製品を「単なるミニPC」ではない形でリリースしてくることになるだろう。

 部材高騰やWindows 10の特需が終わったPC業界は冬枯れに近い状況に突入しつつあるが、新たな高性能PCに対する需要が生まれたことで、これまで買いたたかれるだけだったDRAMチップの世界にも新たな需要が生まれ、本当の意味で高性能PCの市場が育つことになるのかもしれない。

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