エレコムの折りたたみ式Bluetoothキーボード「TK-FBP017BK」をガシガシたたいた:ちょっと気になる入力デバイス(2/2 ページ)
HIDだけでなくSPPもサポートした小型キーボード「TK-FBP017BK」。実際の使い勝手はどうなのか、Androidをはじめとしてさまざまなデバイスで試してみた。
注目のAndroidは導入前の準備作業が必須
さて、本機の目玉機能であるAndroid搭載端末での使い勝手はどうなのだろうか。Android OSの場合、まずプロファイルをSPPに切り替えるだけでなく、事前にAndroidマーケット(エレコムのサポートページか、QRコード経由からも可能)から、Androidのバージョン別(1.6/2.x)アプリケーションをダウンロードし、導入しておく必要がある。
アプリケーションはEleWnn.apk(1.9Mバイト)とElecomBtAssistant.apk(56Kバイト)の2つで構成され、前者がAndroidスマートフォンで日本語入力を行うための辞書ソフトウェア(オムロンソフトウェア「OpenWnn」のカスタマイズ版)、後者が本製品をSPPフォーマットで使用するためのソフトウェアで、必ずどちらもインストールしなければならない。加えて、Android端末の「設定」→「地域/言語を選択」で「EleWnn」を選んでから、Bluetoothのペアリングを実施し、プログラム画面で「Elecom BT Assistant」→「Scan Device」で本製品を登録、文字入力エリアを長押しして「入力方法」→「EleWnn」を選択する作業が必要だ。
以上で、晴れてAndroid端末で本製品が扱えるようになる。今回は「Xperia」(Android 1.6)や「HTC Desire X06HT」(Android 2.1)で試したが、どちらも無事に接続できた。文字入力はEscキーで切り替える。スマートフォンや携帯電話、PDAの対応機種はこちらの表に詳しいが、このほかにもAndroid OSではいくつかの制限がある。まずFnキーを組み合わせた併用キーは利用できず、Alt/Windows/Tabキーが使えない。また、日本語の変換はスペースバーではなく、その右隣にあるキーで行わなければならないので注意したい。
逆にAndroidならではの機能としては、文字入力エリアで「http://〜」と入力してからFn+Wキーを押すと、http〜以下がハイパーリンクになり、ワンタッチで該当ページにジャンプできるのがユニークだ。ただ、試用した時点でソフトウェアが処理効率の向上を果たしたVer.1.01になっていたものの、それでもレスポンスはいまひとつだった(マシンパワーに依存する部分もあるが)。さすがに文字の取りこぼしはないが、高速タイピングへの過度の期待は禁物だ。
メーカーの標準価格は2万790円と高価だが、実売は1万3000円前後で、大手量販店ではさらに10%のポイント還元が付くようだ。リュウドの製品が1万円前後で売られており、その価格差は、主にAndroidの対応とiOS向けのキートップ用シールの有無になる。前述したようにAndroidでの入力環境はOSの絡みもあって発展途上だが、現状で数少ないAndroid対応の折りたたみ型ワイヤレスキーボードであることを考えると、本製品は貴重な選択肢の1つだ。汎用性の高さも魅力であり、iPadやiPhone 4/3 GSなどの相棒としても心強い存在になってくれそうだ。
PC USER編集部Tのインプレッション
2つ折りのコンパクトなボディに、スマートフォン用スタンドをすっきり内蔵し、スエード調の専用ケースも付属するなど、購入後すぐにモバイル利用できるパッケージに仕上がっているのは好印象だ。折りたたみ式のボディなので、キーボードユニットのたわみはあるが、パンタグラフ式のキートップはタッチがなかなかしっかりしており、使い勝手は悪くない。
問題はハードウェア面ではなく、ソフトウェア面だ。HIDでつながるiPhoneはいいが、SPPでつなぐAndroidでの利用はさらなる改善を望みたい。Xperiaで試したところ、キー入力が画面に反映されるまでにかなり待たされるため、文章入力で常用するのは厳しいと感じた。今後、この辺りがこなれてくるといいのだが。
PC USER編集部Sのインプレッション
リュウドのモバイルキーボードは、古くはPDCケータイ用を含めていくつか持っているが、このキーボードは手厚いサポートが期待できるエレコム製品ということで、スマートフォンおよびBluetoothが初めての人でも安心して使えそうだ。
PC USER編集部Hのインプレッション
本製品の売りであるAndroidのサポートは、まさに“対応した”レベルといえる。例えば、会議の議事録を取るという場面には向かず、カフェでブログを書く、原稿を練るなど気持ちのゆとりが必要だ。また、辞書ソフトを必ずEleWnnにしなければならないのも悩ましい。
とはいえ、iPhoneやiPadなどでは文字入力の遅れもなく、頼もしいパートナーとなってくれる。英字配列に慣れておらず、iOS搭載機での入力が多いならばリュウドの製品がベターかもしれないが、Android搭載機を持っている人はもちろん、これから増加する一方のAndroid端末を考えると、本製品を先行投資として買っておくのも十分にアリだ。
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