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> 連載 2003年11月07日 00:00 AM 更新

日本のホスティングサービスがわかりにくい理由を探る(1/2)

全快の記事で提議された、日本のホスティングサービスのわかりにくさ。ではなぜユーザー中心ではないのか。実際にホスティングサービスの中身を利用者の目で比較検討しながら、選択が難しい理由について考えてみたい。

 なぜ日本のホスティングサービスがユーザー中心ではないのか。前回の記事において、中堅ホスティングサービス業者であるハイパーボックスの深田氏より、ホスティング業界のサービスの不透明さという問題が提議された。実際にホスティングサービスの中身を利用者の目で比較検討しながら、選択が難しい理由について考えてみたい。

ホスティング料金の根拠とは

 まずホスティングの料金について考えてみよう。ホスティングサービスを運営する上での実際のコストはどのような構成になっているのだろうか。関係者によるとホスティングサービス料金の中身は案外シンプルなのだという。

「ホスティングの中身というのは、回線費、ハード費、人件費、この3つだけです。サーバは安くなったし、回線も安くなった。あとは人件費です」(大規模業者スタッフ)。

 気になるサービス料金の中でも、利用者が気にしがちなディスク容量は価格に大きく反映するのだろうか? 前述の関係者に聞いてみた。

「実際、容量というのは価格の中ではあまり大きな要素ではないですね。最近、1Uのサーバでも2つ3つHDDが入るし、特に表示していない業者であれば(1台で)かなりの人数をカバーするケースが多いと思います」

 では、一体コストはどこにかかってくるのか?

「ハードの費用と人件費ですね。サーバの保守契約であるとか、交換用のハードを用意していたりするとコストにはねかえります。HDDも安いやつは当然壊れやすい。しかし、最も大きいのは人件費でしょう。極端な話、利用者が少ないうちは管理も一人で出来ないわけではない。ただ結構なユーザー数になると管理スタッフもそれなりに必要になる。管理スタッフの人数の力が、メンテナンス時やトラブル時のレスポンスの良さにダイレクトにつながりますよね」

 では格安業者はハードが安かったり、人件費をかけていないのだろうか。別の関係者は筆者にこう話してくれた。

「(格安ホスティング業者は)仲間うちで始めるみたいなのも多いでしょう。それに兼業、サイドビジネスみたいな人たちもいる。こういう場合は技術スタッフは多くないでしょう。あるホスティング業者みたいに一カ月に一週間も止まっているとか、どうなっちゃってるのよと思うサービスもあるのがホント。個人で使うなら(格安でも)十分なサービスもあるだろうけど、ディスクの中身が吹っ飛んだという話も時々聞くから……、間違いなく言えるのは安いのには理由があるということだよ。おそらく、利用者すべてがフルにトラフィックを使いはじめたら、(システムが)ダメになるでしょうね。安いサービスというのは多くがそうであるように、「とりあえず入った」みたいな利用者が利益を支えてるんじゃないかと思う」(小規模業者)。

 格安、中堅、大手の料金の違いにはハードの質、管理にかける手間、サポートにかける手間、さらに大手ならブランド代というものが加わると彼は言う。

「一般に、大手さんや回線業者さんは中小規模のホスティングにあまり興味がないようです。サーバ単体貸しが主戦場でしょう。というのもISPほど利用者の規模が見込めないし、巨大システムほど売り上げがあるわけでもなし。別途他のサービスの入り口としか考えていない業者も多いと思う。サービスの割に高いのは、有名会社というブランド代も入っていると考えていいでしょう」

 なるほど。ホスティングサービスの料金の違いは、ハードの保守、交換費用、投入している人件費、そしてブランドである。ホスティングサービスの料金体系が会社によって異なっており、分かりにくいのも道理である。

代表的な3業者を比較

 下の表は格安、中堅、大手の3社のホスティングサービスのサービスメニューを、比較のため抜粋したものである。格安は月額500円以下のサービスを持つL社、中堅として本特集で注目するハイパーボックスを、そして大手は自社で回線を保有している会社の中からN社を選択した。
(他の安い、あるいはサービスが充実しているものもあるだろうが、選択については筆者の独断である。また表を見ていただければどこの会社のサービスかおのずと判明するはずなので、あえてここでは社名は伏せる。あらかじめご承知おきいただきたい)

    格安業者L社 ハイパーボックス 大手N社
データ容量 200Mバイト 100Mバイト 100Mバイト
メールアカウント 1つ 無制限 無制限
ヘルプデスク メール&チャット/平日10:00〜23:00、土日祝日10:00〜19:00 電話&メール/24時間365日 電話&メール/平日9:30〜18:00
初期費用 1500円 5000円 3000円
月額サービス費用 300円 2000円 3200円
ドメイン名申請代行(gTLD) サブドメイン型のため不可 2000円 3600円
利用可能サービス IMAP、CGI、SSI、PHP、ASP、商用利用 IMAP、CGI、SSI、PHP、ASP、ホスティング業を含む各種商用利用 メールウィルスチェック、CGI、SSI、PHP、各種商用利用

 実際のところサービスだけを比べてみると、どこもほとんどの用途に耐えるぐらいサービスが充実している(それほどまでに使うかは別として)。これは大手N社が新サービス導入という形での値下げを行ったことが大きい。ディスク容量では格安が最大。いずれもほとんどのサーバサイドのプログラミングツールが利用できる。

 ただし格安ができないのが独自ドメインの利用。ドメイン取得は大手は管理費が高く、中堅ハイパーボックスの(Domain Keeper)の年間2,000円〜というのはかなりお得。ブラウザで使えるツールに関しては格安は初心者向け、中堅・大手ではホームページを運用したい利用者に便利なツールが充実している。

 こうしてみると今回取り上げた大手は、少々ブランド代が高いのでは、ということになるだろう。

サービス、サポート、用途で選べば?

 格安L社は完全に個人向けに割り切ったプランである。サブドメインが利用でき、ほとんどのサーバサイドプログラミングツールも使える。容量が大きく、電話サポートなどはないがそれでもいいという個人向けであると思う。

 中堅はビジネス、ミドル/ハイエンドユーザー向けといえるだろうか。メールアドレス無制限、メーリングリスト、充実したサポート、部門程度の業務なら使えそうだ。格安では表示されていない一サーバあたりの利用者数が明示されているのが安心感につながる。独自ドメインで運営するならこの程度の出費は覚悟すべきか。

 大手N社は……それ以前のサービスと比較すると、相当勉強したようである。もちろん巨大なバックボーン、ブランドの安心感といったものも確かにあるだろう。だが、それでも中堅と比較すると、割高感は否めない。

すべては自己責任で、情報を吟味するしかない


ハイパーボックスの深田CEO

 今回、ここまで比較し、格安と中堅のサービスの充実ぶりに筆者は正直驚いている。数年前が嘘のようだ。以前ならサーバサイドプログラミングなどはサーバへの負荷の問題からこの価格帯ではほとんど利用できなかったし(よくてカウンターと、掲示板ぐらいだ)、利用可能なディスク容量も少なかった。ハイパーボックスの2000円で容量転送無制限、24時間電話サポートというサービスは、手厚すぎるとまで思える。

 実際のところ、ユーザーができることはかなり多くなってきているのも事実だが、サービスの質についてはどうなっているのだろうか。

 次回はハイパーボックスの深田CEOが、これだけの手厚いサービスをどのようにして実現したか、そしてホスティング業界の内幕について聞く。

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