「インアプリPRを制する者が、iPhoneアプリを制す」 CRI・ミドルウェアの考えるアプリ販促戦略(1/2 ページ)

» 2009年09月16日 09時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo CRI・ミドルウェアでiPhone & SmartPhone推進室長を務める幅朝徳氏

 日々大量のアプリが追加され、すでに登録アプリが7万5000本を超えているAppleのApp Store。アプリがより多くユーザーの目に触れられるよう、AppleはiPhone OS 3.1にアプリ版のGenius(ユーザーの興味を予想して商品をレコメンドする機能)を追加したが、一方でアプリベンダーは、“自社アプリ内で、ほかの自社アプリをPR”する「インアプリPR」で、効果的な販促を図ろうとしている――。

 9月14日、アップルストア銀座で行われた、IGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本)主催のiPhoneアプリ開発者向けセミナーに、CRI・ミドルウェアの幅朝徳氏が登壇した。iPhone & SmartPhone推進室長を務める同氏は、ゲーム企業のiPhoneアプリに対する期待や不安を同社の調査結果から紹介したほか、インアプリPRを効率的に行うためのミドルウェア「CLOUDIA(クラウディア)」を発表した。


“ゲーム業界の永世中立国”が感じる、iPhoneエコシステムの魅力と課題

 CRI・ミドルウェアは映像や音声、ファイル圧縮などに関するミドルウェアを中心に製品を展開している企業だ。多くのゲームメーカーが同社の製品を利用しており、幅氏は自社を「特定のプラットフォームやコンテンツプロバイダーに限定せず製品を提供する、ゲーム業界の永世中立国のような存在」と説明する。

photophoto CRI・ミドルウェアの概要(写真=左)。ゲームプラットフォームの歴史に寄り添いながら、同社はソフトウェアを提供してきた(写真=右)
photophotophoto iPhone用には、動画再生システム「CRI Sofdec」(写真=左)や、音声圧縮・再生システム「CRI ADX」(写真=中央)などを提供。さらにファイル圧縮管理システムの「ファイルマジックPRO」(写真=右)も提供を予定している

 そんな同社が、2009年2月〜3月にかけてゲーム開発者を対象に実施したiPhone/iPod touchアプリ開発に関する調査では、ゲーム開発者の9割以上がiPhone/iPod touchアプリ開発に興味を持っているという結果が得られた。また、全体の34パーセントはすでにiPhoneアプリの開発実績があり、開発を予定する開発者も38パーセント存在した。さらに幅氏は、「同じ調査を今すれば、9割に近いところまで参入の動きが見られるのではないか」と、iPhoneアプリに対する関心の高まりを予想する。

photophoto iPhoneアプリの開発実績に関するリポート(写真=左)と、開発者が想定するiPhoneアプリの市場(写真=右)
photophoto 開発工数の目安(写真=左)と、開発するアプリの価格帯(写真=右)
photo 開発者は意外にも家庭用ゲーム機の担当者が多い。ソフトのダウンロード販売が据え置きゲーム機でも普及しつつある中、スマートフォンが配信プラットフォームの1つとして捉えられていると幅氏は指摘する

 同調査では、iPhoneの魅力としてタッチパネルや加速度センサーといったデバイス面を挙げる開発者が多く、開発の際にはMacでの開発や情報ソースの少なさを課題と捉える傾向が見られた。

 ビジネス面では、ワールドワイドな市場規模の大きさや購入の手軽さなどに期待が集まる一方で、国内市場の規模や、膨大アプリが存在する中で販売予測が難しいことなどがベンダーを悩ませていることが浮き彫りに。「App Storeのランキングに載らなければ、アプリの存在すら認められない」――そんな声を、幅氏は多くのゲームクリエイターから聞いたという。

photophoto iPhoneの開発面での魅力(写真=左)と、ビジネス面での魅力(写真=右)
photophoto iPhoneの開発面での課題(写真=左)と、ビジネス面での課題(写真=右)
photo ゲーム開発者はiPhoneのエコシステムに期待している一方で、販促の難しさを感じている

 さらに幅氏は、ユーザーが必ずしもiTunesやApp Storeを“使いこなす”とは限らないことを強調する。同社は、「iPhone 3GS」を社員全員に配布しているが、「社員はITリテラシーの高い方に属する」にも関わらず「『iPhoneをPCに接続したことがない』という社員もいる」のだという。「現在のApp Store上でコンテンツプロバイダーがブランドを構築するのは難しい」というのが、幅氏の率直な考えだ。

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