写真で解説する「HT-03A」(外観編)
ドコモ2009年夏モデルの中で最も大きな話題となっている国内初の“Androidケータイ”「HT-03A」。タッチパネルとトラックボールで軽快に操作でき、iPhoneとWindows Mobileのいいところを取ったような端末だ。iPhoneなどとの比較も交えながら、ハードウェアの主なポイントをチェックした。
「HT-03A」は、Googleが開発したケータイ向けプラットフォーム「Android」を搭載する国内初のモデル。AndroidはGoogleや各国の通信事業者、端末メーカーが参加するオープンソース団体「Open Handset Alliance(OHA)」が管理・推進しており、オープンソースゆえの省コスト性や端末開発の柔軟性に期待が集まるプラットフォームだ。なお、コアとなるOSはLinuxをベースにしている。
HT-03Aの形状はストレート型で、Windows Mobileを搭載したスマートフォンに多いPDA風なスタイル。もちろん「iPhone 3G」のようなタッチパネル操作に対応しているほか、画面下の6つのハードウェアキーと、画面内のポインタを自在に操れるトラックボールを搭載した。発売は2009年6月下旬〜7月を予定している。
タッチパネルディスプレイは、約3.2インチハーフVGA(320×480ドット)表示の6万5536色TFT液晶を採用した。解像度もiPhoneと同じだが、サイズがiPhoneの約3.5インチと比べるとやや小さくなっている。タッチパネルはiPhoneと同じ静電容量式のため、指先で軽くふれるだけでスムーズな操作が行える。また、複数の指で操作するマルチタッチには少なくとも発売時点では対応していない。
iPhoneと違いはハードウェアキーの充実にある。特にトラックボールは「BlackBerry Bold」にも搭載されているが、タッチパネルとは違った意味で直感的な快適操作を可能としている。
ディスプレイサイズがやや小さいため、本体サイズもiPhone 3Gより一回りほど小さい。特に幅が小さく片手でもしっかりとホールドできるので、ハードウェアキーやトラックボールも押しやすい。トラックボールは押し込むと決定キーの役割にもなる。Androidを搭載した初号機である「T-Mobile G1」と比較しても、かなりコンパクトになった。ただG1はQWERTYキーボードが搭載されていなるので、一概に比較はできない。
項目/機種 | HT-03A | iPhone 3G | HT-02A | T-01A |
---|---|---|---|---|
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 113×56×14ミリ | 115.5×62.1×12.3ミリ | 102×51×12.4ミリ | 130×70×9.9ミリ |
重さ | 約123グラム | 約133グラム | 約110グラム | 約129グラム |
ディスプレイサイズ | 3.2インチ | 3.5インチ | 2.8インチ | 4.1インチ |
解像度 | ハーフVGA(320×480ピクセル) | ハーフVGA(320×480ピクセル) | VGA(480×640ピクセル) | ワイドVGA(480×800ピクセル) |
タッチパネル | 静電容量式 | 静電容量式 | 感圧式 | 感圧式 |
HT-03A(写真=左)とiPhone 3G(写真=右)を比較した写真。面積はiPhone 3Gよりひとまわり小さい。高さが約113ミリとiPhone 3Gより2.5ミリほど短く、幅が約56ミリとiPhone 3Gより6.1ミリほど狭い。HT-03Aのほうがハードウェアキーが多い分、幅が狭くなっていることで、しっかりと握って操作する印象を受ける
Androidを搭載したはじめてのモデルであるHTC製「T-Mobile G1」(写真=左)と「HT-03A」(写真=右)を比較した写真。HT-03Aのデザインはかなりまとまっており、G1がかなり野暮ったくみえてしまう……
バッテリーは1340mAhと携帯電話としては大容量だが、スマートフォンとしては一般的なサイズだ。だがW-CDMA接続時の連続待受時間が約140時間(静止時)/約90時間(移動時)、連続通話時間が約240分と、待受時間がほかのスマートフォンや音声端末と比べるとかなり短い。充電は、製品に付属するminiUSB・外部接続端子変換アダプタを使ってFOMA用の共通ACアダプタ(別売)から行う。充電にかかる時間は約240分だ。
項目/機種 | HT-03A | iPhone 3G | HT-02A | T-01A |
---|---|---|---|---|
連続待受時間(静止時、W-CDMA/GSM) | 140時間/100時間 | 300時間/300時間 | 290時間/130時間 | 250時間/180時間 |
連続通話時間(W-CDMA/GSM) | 240分/260分 | 300分/600分 | 140分/140分 | 200分/210分 |
本体の内蔵メモリは保存領域(ROM)が約512Mバイト、作業領域(RAM)が約192Mバイトとなっている。このほか、外部メモリ用としてバッテリーカバーの中にmicroSD/microSDHCカードスロットを搭載している。ただ、microSDはバッテリーをはずさなくても抜き差しできるほか、USBケーブルでPCと接続すればUSBマスストレージやAndroid SDKによるコマンドによって直接ファイルのやり取りが行える。
本体ファームウェアやOSのバージョンアップは、ネットワーク経由による「OTA(Over The Air)」に対応している。また発表会場にあった試作機では、microSD内のROMイメージから「Android System Recovery Utility」を起動してアップデートする方式にも対応していた。方法はともかく、HT-03AもiPhoneのようにOSがバージョンアップすることで、新機能が拡張されていくだろう。
通信機能はW-CDMA(FOMA)とGSMに対応。国内ではFOMAハイスピード(HSDPA)によって下り最大7.2Mbpsのデータ通信が利用でき、FOMAプラスエリア(800MHz帯)にも対応した。海外では国際ローミングサービスのWORLD WING(3G+GSM)が利用できる。
また無線LAN(IEEE802.11b/g)やBluetooth(2.0+EDR)にも対応していて、Bluetoothの対応プロファイルは、SPP/HSP/HFP/A2DP/AVRCP。通話用ヘッドセットやリモコン対応ワイヤレスステレオヘッドフォンなどが利用できる。ただし、Bizホーダイ・ダブルにおけるパケット定額通信中は、無線LANやBluetoothが利用できない。こういった点は、Windows Mobile搭載の「HT-01A」など従来のドコモスマートフォンと同じ仕様だ。
さらに、海外対応のA-GPSや重力センサー、地磁気センサー、加速度センサーが搭載されており、Googleマップにおける現在位置検索やストリートビューにおける自動方向追従機能、自動縦横画面切り替えなどが行える。
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