東京電力や関西電力など地域別の10電力会社による2011年度(2011年4月〜2012年3月)の発電量が、電源の種類別にまとめて公表された。当然ながら原子力は大幅に低下する一方、新エネルギーの発電量は前年度から21%増加した。
電力会社10社で構成する電気事業連合会が公表した電源別の発電量の推移を見ると、震災の影響を受けた2011年度を除けば、この10年間の電力事情に大きな変化がなかったことが分かる(図1)。10社合計の発電量、電源別の比率、ともに多少の増減がある程度で、ほとんど変動していない。
その中で地熱を含めた新エネルギーの発電量が2011年度に21%増加したことは好ましい傾向と言える。発電量全体に占める比率は、まだわずか1.4%に過ぎないが、今後も間違いなく増えていく。というのも、この発電量の中には電力会社以外から購入した電力(他社受電分)が含まれており、2012年度以降は新エネルギーの固定価格買取制度によって購入する新エネルギーが大幅に増えると予想されるからである。
政府は現在2030年に向けたエネルギーの電源構成比を検討中で、新エネルギーの比率を20〜30%(水力を含めると30〜40%)に高める方針だ。既存の電力会社が新エネルギーによる発電量を大幅に増やすことは資金面で難しいと考えられる。その大半は企業や家庭が自家発電によって作り出さなくてはならない。新エネルギーを加速させるための大胆な政策転換が待たれる。
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