自家発電で工場の電力の3割をカバー、トヨタがガスコージェネを拡大エネルギー管理

トヨタ自動車が新たにガスコージェネレーションシステムを8基導入して自家発電能力を増強した。既存の発電設備と合わせて工場の電力使用量の3割を自家発電でカバーする。エネルギー管理システムも全工場に導入して、電力の使用状況と発電状況を一元管理する。

» 2012年07月04日 13時44分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 ガスコージェネレーションは電力と熱の両方を効率的に作り出せる点が特徴で、トヨタ自動車は1970年代から工場に導入を進めてきた。今夏の節電対策としてガスエンジン方式の高効率コージェネレーションシステムをさらに8基導入することで、愛知県にある12か所の工場全体で使用する電力の約3割を自家発電によって供給できる体制を構築した。

 これにより2010年度と比べて電力会社から購入する電力を約15%削減できる見込みだ。ピーク電力も約9%低減して、中部電力の節電目標であるピーク電力の4%カットをクリアする。そのために全工場の電力使用量と電力供給量を一括で見える化するシステム「TTDM(トヨタトータルデマンドマネジメント)」を開発して7月から運用を開始した。合計で3万か所のデータを計測して毎日の電力使用量を最適化する。

 このほか生産設備の簡素化も進めて電力使用量の低減を図る。自動車のプレス工程では高効率サーボプレス機や高速ロボットを導入して作業時間を短縮する。今後は海外の生産拠点でも同様の電力管理体制を構築する計画だ。

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