“スマートタップ”を賢く使って、小規模オフィスでも簡単に節電エネルギー管理(2/2 ページ)

» 2012年08月24日 09時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]
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USBでパソコンに接続するか、LANに接続するか

 次に紹介する製品は富士通コンポーネントの「スマートコンセント FX-5204PS」だ(図4)。この製品の特長は、パソコンとの接続方法を2種類用意している点にある。1台だけで、手元にある機器だけを接続して使うだけなら、パソコンのUSB端子に接続すればよい。パソコンに専用ソフトをインストールすれば、スマートコンセントにつながっている機器の消費電力量をコンセントの接続口別に確認できる。

図4 富士通コンポーネントのスマートコンセント。接続口が4つあり、それぞれ別々に消費電力量を計測できる

 USBで接続するほかに、LANに接続する方法もある。これには別売りのゲートウェイ(図5)が必要になる。スマートコンセントとゲートウェイをUSBで接続し、ゲートウェイをLANに接続すればよい。配線は面倒だが、LANに接続すればスマートコンセントがかなり離れた場所にあっても、ほぼ確実に通信できる。フロアが広い場合や、複数のフロアを使っている場合などは先に挙げたStingよりもこちらの製品のほうが良いだろう。

図5 スマートコンセントをLANにつなぐゲートウェイ。1つのゲートウェイに4台までスマートコンセントをつなぐことができる

 ゲートウェイはWebサーバの機能を内蔵しており、データを確認したい時はWebブラウザでゲートウェイのIPアドレスを指定してアクセスすればよい。ゲートウェイにつながった4つのスマートコンセントそれぞれの差込口につながっている機器がどれほどの電力を消費しているのか簡単に確認できる(図6)。

図6 パソコンからWebブラウザでゲートウェイにアクセスし、消費電力量を確認する画面を開いたところ。中央付近に並んでいる「Port1、Port2、Port3、Port4」というボタンはUSBでゲートウェイとつながっているスマートコンセントに対応している。それぞれボタンを押せば、異なるスマートコンセントの情報を確認できる

 図6を見ると、今日の総電力量、今月の総電力量、累計の総電力量のほか、最大値、最小値、平均値、計測時間など、かなり細かいデータまで確認できる。しかし、4つの接続口につながっている機器が消費した電力量合計や、ゲートウェイ単位の合計は表示しない。

 ただし、このゲートウェイはデータをCSV形式のファイルで出力する機能を持っている。この機能を利用すれば、直近24時間分(計測間隔は1分)や、直近1時間分(計測間隔は5秒)の電力計測値、直近24時間分の電力量計測値(計測間隔は1時間)といたデータをダウンロードできる。データ形式がCSVになっているので、Microsoft Excelなどの表計算ソフトで開いて、データを集計できる。以上に挙げたデータはFTPでダウンロードすることも可能。業者に依頼してプログラムを作成してもらえば、データをダウンロードして、消費電力の推移をグラフで表示するということも可能だろう。

 スマートコンセントもゲートウェイも価格はオープン。実売価格はスマートコンセントが1万7500円程度だ。ゲートウェイは、電源としてACアダプタを利用するものと、LANにつなぐEthernetケーブルから電力を得て動作するPower over Ethernet(PoE)という機能を持つものの2種類がある。ACアダプタを利用するものの実売価格は4万6000円程度。PoEを利用するものの実売価格は4万8000円程度。USBケーブル、LANケーブルのほかにACアダプタの配線まで入ってくると配線が混乱する可能性が高いので、環境が整っているならば、PoE対応品を利用したいところだ。

Twitterにデータをつぶやき続ける

 パソコンと接続してデータを確認できる製品を紹介してきたが、もっと手軽に消費電力を計測できる製品もある。図7のように、モノクロの液晶パネルに消費電力のデータを表示する製品だ。パソコンと通信する機能はないが、安価に入手できる。例えば図7で示した朝日電器の「エコキーパー」は、3000円程度で入手できる。

図7 朝日電器の「エコキーパー」。左側は計測機能だけを持つ製品。実売価格は3000円前後。右側は1週間に20パターンのスケジュールを設定できる製品。スケジュールに応じて電気製品への給電を止めることができる。実売価格は3500円前後

 複合機など、大きな電力を消費するとみられる電気製品にこのような製品を接続して、消費電力量の推移を見るだけでも節電のヒントを得ることができるだろう。

 このように本体に搭載した液晶パネルにデータを表示する製品の中でもちょっと変わっているのが、サンワサプライの「ワットチェッカー Tweet」だ(図8)。価格は2万9400円。この製品は消費電力量等のデータを計測するだけでなく、計測したデータをTwitterに投稿し続けるという機能を持っている。無線LANで通信する機能を搭載しており、無線LANのアクセスポイントや無線LANルータを通してTwitterに投稿する。

図8 サンワサプライの「ワットチェッカー Tweet」。無線LAN通信機能を搭載しており、計測した電力データをTwitterに投稿し続けることができる

 計測データをグラフなどの形にするにはプログラムを作る必要があるが、Twitterのタイムラインをチェックしていれば、電力データの推移をつかむことができるだろう。

 以上、無線で計測データを送受信する製品、計測データをLAN経由で確認できる製品、計測データを備え付けの液晶パネルに表示するだけの製品。Twitterに計測データを投稿する製品を紹介してきた。どの製品も中小規模の企業に向く製品だが、無線でデータを送受信する製品は比較的狭い範囲で使うものと考えた方が良いだろう。複数のフロアを使っているような場合はLAN経由でデータを確認できる製品が向いている。気になるところをピンポイントでチェックするなら、3000円程度の製品でも十分だ。オフィスの規模や計測したい機器の数などを考えて、目的に合った製品を選んでほしい。

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