近畿日本鉄道は、自社所有地2カ所にメガソーラーを建設することを明らかにした。事業の運営方法を工夫して、どちらのメガソーラーも初期投資ゼロで建設する。
メガソーラーを建設する場所は、三重県伊賀市の「ゆめが丘住宅地」と三重県志摩市の「志摩スペイン村」にある近畿日本鉄道が保有する土地(図1)。ゆめが丘住宅地では、約23万m2の土地に最大出力およそ15MW(1万5000kW)の太陽光発電システムを設置する。志摩スペイン村では、約6万m2の土地に最大出力およそ2MW(2000kW)の太陽光発電システムを設置する。
2カ所とも建設、運営は中部電力の関連会社であるシーエナジーに委託し、シーエナジーが提供している「オンサイト発電サービス」を利用する。
このサービスでは、発電設備の建設をシーエナジーが請け負うだけでなく、建設後の施設の所有権もシーエナジーが保有する。建設後の施設をシーエナジーが保有するため、建設費用もシーエナジーが負担する。施設のメンテナンスもシーエナジーが担当する。シーエナジーに発電設備を設置する土地を貸し出す法人、個人は建設費用などの初期費用を負担する必要がない。
オンサイト発電サービス利用者は、発電した電力を電気事業者に売電し、収入を得る。ゆめが丘住宅地と志摩スペイン村の場合は中部電力に全量売電する。そして、毎月の発電量に応じてシーエナジーにサービス料を支払う(図2)。近畿日本鉄道では、2013年9月に建設開始を予定している「花吉野ガーデンヒルズ」内のメガソーラーでも、シーエナジーのオンサイト発電サービスを利用することを検討している。
建設開始はゆめが丘住宅地が2013年4月、志摩スペイン村が2013年3月の予定。ゆめが丘住宅地では、2014年9月に稼働を始める見込みだ。一方、志摩スペイン村では2013年9月には稼働を始められる予定。
近畿日本鉄道によると、どちらの計画についても、経済産業省による設備認定と、中部電力との連系協議は2012年度中に完了する。つまり、1kW当たり42円という売電価格は確保できる見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.