47年前から稼働する水力発電所、性能評価で200kWの出力増加電力供給サービス

国内には古くから稼働を続ける大規模な水力発電所が数多くあり、長年のあいだに川の水量が増加しているケースは少なくない。増えた水量を生かせば発電能力を引き上げることが可能だ。北陸電力は福井県で47年前から稼働する水力発電所の性能を再評価して、発電能力を200kW増加させた。

» 2013年05月13日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 発電能力を増強したのは福井県の北東部にある、勝山市で稼働する「滝波川(たきなみがわ)第一発電所」(図1)。福井県を流れる九頭竜川の水系を生かした水力発電所で、これまで1万2300kWの発電能力を発揮してきた。

図1 滝波川第一発電所の全景。出典:北陸電力

 発電所を運営する北陸電力が新たに性能評価を実施した結果、200kWの増加が可能なことがわかり、5月10日から1万2500kWに出力を引き上げた。年間に30万kWhの発電量が増えることになり、一般家庭80世帯分の電力使用量に相当する供給力の増加をもたらす。

 この滝波川第一発電所はもともと福井県が運営してきた水力発電所で、3年前の2010年3月に北陸電力が事業譲渡を受けた7か所の発電所(水力6、風力1)のひとつである(図2)。最近になって北陸電力は古くから稼働している水力発電所の性能評価や設備改修による発電量の増加計画を進めていて、今回の滝波川第一発電所の出力増加もその一環である。

図2 北陸電力が福井県から事業譲渡を受けた水力発電所。出典:北陸電力

 北陸電力が2012年3月末時点で運営する水力発電所は128か所あって、発電能力を合計すると190万kWに達する。火力発電や原子力発電を加えた北陸電力の供給力の約4分の1を占めている。今後も水力発電設備を増強する計画で、ダムを必要としない水力発電所の新設と併せて、既存設備の出力増加に取り組んでいく。

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