商社と銀行がメガソーラー事業、180億円で全国3カ所に49MW自然エネルギー

住友商事は三井住友銀行など8つの国内の金融機関からプロジェクトファイナンスの形で融資をうけ、北海道、四国、九州の3カ所でメガソーラーを立ち上げる。合計容量は49MWに達する。

» 2013年06月05日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 3カ所の建設予定地

 住友商事と三井住友銀行が全国3カ所のメガソーラー事業に協力して乗り出す(図1)。総事業費180億円を投じ、北海道苫小牧市と愛媛県西条市、北九州市の3カ所に合計出力49MWのメガソーラーを立ち上げる。

 それぞれのメガソーラーが完成した後に運営する事業主体は住友商事が出資する3つの事業会社だ。「当社以外も出資するが、住友グループが過半数を出資する」(住友商事)。三井住友銀行はメガソーラー事業の予測収益を基礎とした貸し付けであるプロジェクトファイナンスを実行。規模が大きいため国内の他の7つの金融機関と共同でシンジケートローンの形を採る。銀行団の代表であるリードアレンジャーは三井住友銀行。なお、メガソーラーの設計、調達、建設は3カ所ともNTTファシリティーズが担う。

 苫小牧市のメガソーラーは出力13MW(図2)。15.2MW分の太陽電池モジュールを使う。住友商事や苫小牧市、苫小牧港開発、巴コーポレーションの4者がそれぞれ所有する土地を利用する。2014年11月に完成予定だ。事業会社はソーラーパワー苫小牧。住友グループ以外に石油資源開発が出資する。

図2 苫小牧市のメガソーラー。出力13MW。出典:住友商事

 西条市のメガソーラー(出力23MW)は28.7MW分の太陽電池モジュールを利用する(図3)。日新製鋼の所有する土地に建設し、2015年4月の完成を見込む。事業会社はソーラーパワー西条。

図3 西条市のメガソーラー。出力23MW。出典:住友商事

 北九州市のメガソーラー(出力13MW)では16MW分の太陽電池モジュールを使う(図4)。住友商事の取引先の遊休地に建設するとした。完成予定は2014年7月だ。事業会社はソーラーパワー北九州だ。

図4 北九州市のメガソーラー。出力13MW。出典:住友商事

 住友商事はこれまで全世界で再生可能エネルギー関連の事業を開発・運営してきたという。海外では太陽光発電と風力発電を合わせて10件(出力合計2000MW)のプロジェクトに参画している。国内では子会社のサミットエナジーを通じて3件(出力合計65MW)の風力発電のプロジェクトを開発・運営している。国内の太陽光発電は複数社と共同で「大阪ひかりの森プロジェクト)(出力10MW)を進めてきた。

 三井住友銀行は米州や欧州、中東、アフリカ、オーストラリアアジア地域で出力合計9800MWの再生可能エネルギーに対するプロジェクトファイナンスを実施している。国内でも固定価格買取制度(FIT)以前から取り組んでおり、現在合計1500億円以上の案件を検討中だという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.